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デザイナーやエンジニアが今では当たり前のように活用するようになった3Dプリンター。
自動車開発における一連の工程(設計、試作、評価、生産等)において設計者が予期し得なかった不具合が発生すると、都度対策のための“試作”を行うことになるが、これが開発期間の短縮を阻む要因にもなっていた。
製品開発の効率化に大きく貢献
だが、3Dプリンターの普及により、設計者が作成したデータを素早く形にして問題の有無を確認することが可能となり、生産部門においても金型着手後の無駄な修正加工が激減するようになった。
一番のメリットは、開発チーム全員がコンピューター上だけでなく“現物”として確認できる点で、その効能は大きく、工程間での情報共有が容易となり、結果的にそれが開発費低減に大きく寄与していることはいうまでもない。
3Dプリンターの用途は今や工業用途のみならず、医療用にまで広がりをみせており、また最近ではそうした評価・確認用途の域を超えて、成型品をそのまま製品として活用する段階まできている。
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![VOLVO TRUCKS Sweden](http://nge.jp/wp-content/uploads/2015/03/VOLVO-TRUCKS-Sweden.jpg)
ボルボは3Dプリンターで組立治具を製作
例えばVolvo Trucksの場合、フランス・リヨンのトラック用エンジンの組立工程で使用する“治具”の作製に3Dプリンターを使用しており、工場内にストラタシス社の成型機(Fortus 3Dプロダクションシステム)を4台設置している。
治具とは、製品の組立や溶接時に固定・ガイド等に使用する器具のことだ。
![Volvo_Stratasys_3D_Printer](http://nge.jp/wp-content/uploads/2015/03/Volvo_Stratasys_3D_Printer-690x431.jpg)
従来は金属製の治具を使っていたが、現在では熱可塑性樹脂『ABSplus』に変更、3Dプリンターの活用で治具製作にかかる期間を従来の36日間から僅か2日間に短縮したという。
Volvo Trucksのテクニカルマネージャーによれば、「ここまで短時間で機能的な治具を製造する能力は前例がなく、生産のワークフローも向上した」 としている。
昨年9月にはSpaceX社が打ち上げた宇宙船で3DプリンターがISS(国際宇宙ステーション)に運ばれ、宇宙空間で修理が必要となった部品の代用品を短時間で製作可能にするための実験が行われた。
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クルマを直接成形するケースも
また、近頃では部品レベルに留まらず、自動車を丸ごと作ってしまえるほどの大型機も登場している。このように3Dプリンターが活躍するシチュエーションは、今回のVolvo Trucksのようなケースも含めて飛躍的に拡大し続けているようだ。