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夜の大都会を舞台に、白いスモークと共に現れるのは、プロジェクターから投影されたブルーの光が形作るスポーツクーペ。ドイツの自動車メーカー・アウディが、水素燃料電池で走る『A7 スポーツバックh-tronクワトロ』のプロモーションビデオを公開した。
アウディが放つ燃料電池自動車
2014年11月に、アメリカで開催された『ロサンゼルス・オートショー2014』で、新型コンセプトカーとして初公開されたのがこのクルマ。ベースは、アウディの最高級4ドアクーペ『A7スポーツバック』だ。最大の注目点は、水素を燃料とする燃料電池自動車(FCV)であること。
![audi_h-tron_01](http://nge.jp/wp-content/uploads/2015/03/audi_h-tron_01-690x248.jpg)
使用する水素燃料は、車両床下にある4つのカーボンファイバー製タンク内に搭載。車両前部にある電池スタックで、水素と酸素を結合させて電気をつくる。動力源はもちろん電動モーターで、独自の『e-クアトロ』を採用しているのだ。前後アクスルにそれぞれ使用することで、4輪駆動を実現。
各モーターの最大出力116ps、最大トルクは27.5kgm。前後トルクはコンピュータで制御され、走行条件や速度により最適に配分される。水素タンクのフル充填時は、最大で約500kmの航続距離が可能。最高速は180km/hだ。
また、外部充電も可能なプラグインハイブリッド車(PHV)としての機能も持つ。その際の航続距離は、モーター単独で最大50kmだ。
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![audi_h-tron_02](http://nge.jp/wp-content/uploads/2015/03/audi_h-tron_02.jpg)
暗闇に浮かぶ“Audi h-tron”の文字が消える意味は?
さて、そんな『A7 スポーツバックh-tronクワトロ』のプロモーションビデオ。タイトルは「Audi : Disappering Billboad(アウディ:消えゆく看板)」で、57秒のショートビデオだ。
ビデオ前半は、クルマの構造イラストなどを見せてFCVであることを強調。中盤は、映像クルーらしき集団が、街中でプロジェクターのようなものを用意し、『A7 スポーツバックh-tronクワトロ』へカーボン製水素タンクを装填するシーンも一瞬入る。さぁ、準備は整った。そこから一気に、舞台は夜の大都会へ。
白いスモークと共に現れるのは、プロジェクターから投影されたブルーの光が形作るスポーツクーペ。周囲のギャラリーは皆、スマートフォンでそれを撮影する。ブルーの光は、クルマの形を様々に変え、やがていつしかそれはいくつかの文字(ドイツ語)に……。クライマックスは46秒あたり。ブルーの光はいつしか“Audi h-tron”という文字に変わり、やがてそれは白いスモークと共に消えていく。
![h-tron4](http://nge.jp/wp-content/uploads/2015/03/h-tron4-690x400.png)
これこそが“消えゆく看板”。ブルーの光は、『A7 スポーツバックh-tronクワトロ』を告知する看板のネオンサインを表現していたのだ。
この映像が意味するものは、まさにFCVの最大の特徴でありメリットである“クリーンさ”だ。従来のガソリン車などのように、CO2などを含んだ排気ガスは一切出さず、残していくのは“わずかな水蒸気”のみ。それを印象的に表現しているのが、このビデオだ。
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“クリーン”のイメージを、ありきたりな“明るく楽しい”感じではなく、夜の大都会が舞台の“かっこいい”映像で表現するとは、なかなかいいセンスだ。さすがドイツの高級車メーカー、アウディ。このクルマの登場が、さらに待ち遠しくなった。