ごはんのカロリーを半分にするスリランカ大学の「炊飯法」がスゴい

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2015年04月01日 20:30  FUTURUS

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FUTURUS(フトゥールス)

日本人の主食である“ごはん”は和食メニューから外せないひと品。近年は糖質制限ダイエットがブームになっているが、米は非常にカロリーが高いことでも知られ、カロリーの過剰摂取要因にもなっている。

そんななか、先日アメリカで開催された学会で、体に吸収される米のカロリーを50%ほど抑える方法が発表され、注目を集めている。米を主食とする国では成人の肥満を抑える効果も期待されている。

レジスタントスターチという“でんぷん”に注目

先日行われたアメリカ化学会 (ACS)で発表を行ったのは、スリランカのコロンボ大学でケミカル・サイエンスを研究するSudhair A. James氏。多くの発展途上国では肥満が健康問題として増加しつつあり、「食べ物に基づく解決策を探りたい」と考えたのがスタートだったという。

スリランカ国内の38種類の米で実験したJames氏らは、レジスタントスターチ(RS)と呼ばれるでんぷんが問題解決に近づく手がかりになることを発見。そして、新しく考案された特殊な方法で米を調理することで、カロリーを50%から60%カットすることに成功したのだ。

ティースプーン1杯分のココナッツオイル

やり方は意外なほどシンプルなもの。まず、熱したお湯に1/2カップのお米を入れ、ここにティースプーン1杯分のココナッツオイルを加える。これを40分間とろ火で煮るか、20〜25分ほど沸騰したお湯で熱し続ける。どちらかの方法で加熱したあと、12時間冷蔵庫で冷やせば完了。レジスタントスターチが通常の10倍ほどに増加するという。なお、レンジで再加熱しても減少することはないようだ。

米に含まれるでんぷんには消化できるものとできないもの(=RS)があるが、後者は炭水化物がグルコースに変化して血液に吸収される小腸の中であっても分解されない。ここから、研究チームは通常のでんぷんをRSに転換させることができれば、米の持つカロリーの摂取を抑制することができると考えたという。実験を重ねるなかで、アジアでは広く使われるココナッツオイルが、でんぷんの微粒子のなかに入り込み内部の構造をうまく変化させることを発見した。

James氏らは次のステップとして、人間被験者の協力を得たうえで、どの種類の米がカロリー削減のプロセスに最も適しているかを調べ、同時に他のオイルでも同じ効果がみられるかも実験していくそうだ。

このメソッドが一般的になれば、糖質を制限している時でも例外的に“ごはん”を食べることができ、通常の食事がダイエットにつながる、といったことも夢ではないのかもしれない。肉も揚げ物も味わえ、その上“ごはん”も問題なしとなれば、体重管理がいまより一層容易で楽しいものになることは間違いないだろう。

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  • >40分間とろ火で煮るか、20〜25分ほど沸騰したお湯で熱し続ける。  面倒なので、これなら「食べなくていいや」となりそう。
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