牛のための扇風機!? 農畜産用「DCスマートファン」がエコで有能

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2015年04月02日 20:30  FUTURUS

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FUTURUS(フトゥールス)

普通に生活していると意識する機会が少なくなりがちだが、常に環境問題と隣合わせの私たちの日常。都市部で生活していても、地方で暮らしていても、あるいは別の面に注目すれば、消費者としても生産者としても同じだといえるだろう。

生産者として、自然と共存して生活を営む農業に携わる人が環境問題の責任を負うというのは意外にも思えるが、環境問題への取り組みが進む国々では、農業経営における電気や水の使用、排出するCO2、そして飼料の輸送コストなども“環境コスト”と考えられている。つまり、コストを抑えた効率的な生産ができれば、同時に環境問題への取り組みにもつながるといえるのではないだろうか。

今回取り上げる農畜産の分野では、業界随一の風量を実現し、かつ消費電力を約15%低減した畜舎内の換気扇が注目を集めている。

換気扇の消費電力の低減につながるスマートファン

2015年4月1日に新製品『DCスマートファン』を発売したのは、パナソニックエコシステムズが100%出資するパナソニック環境エンジニアリング株式会社 。リサイクル対策や、エネルギーマネジメントなどを通じ幅広く環境対策を支援している企業だ。

一般に、産業の発展は環境への負荷とトレードオフの関係にあると考えられがちだが、同社はこの関係性を“産業の発展と環境負荷ゼロエミッション”という相乗効果に変えることを目指しているという。

牛・豚・鶏などを飼養する畜舎内の暑熱対策や、換気の対策として設置される農畜産用換気扇。近年は、夏場の気温上昇や施設の大型化といった理由で換気扇が増え、光熱費も増加傾向。そのため、換気扇の消費電力の低減が畜産経営が直面する課題のひとつとなっていた。そこに登場したのが今回の製品だ。

最大の風量を実現しつつ消費電力を15%カット

『DCスマートファン』は、S字形状羽根『スマートブレード』の“迎え角”と“そり”を最適なものにすることで、送風の高効率化に成功。新たに採用した強力なモーターと組み合わせることで、業界No.1の風量840立法メートル/mを実現したという。消費電力も従来製品と比べ約15%低減できるといい、光熱費の節約にもつながりそうだ。

panasonic DCスマートファン 農畜産用換気扇

また、インバータ制御により運転速度を下げて使用することで消費電力をさらに低減させることも可能だが、この場合は通常以上にCO2排出量を抑制し、環境負荷も軽くなるようだ。同社のインバータファンを既設の場合は、換気扇本体のみの交換で利用できる点も、導入を検討する人には嬉しいポイントといえるだろう。

panasonic DCスマートファン 農畜産用換気扇

この『DCスマートファン』により、農畜産業の空気質・環境改善に貢献することを目指すという同社だが、顧客の生産コスト削減が、同時に地球環境への負荷低減につながっている。

畜産という、都市部に住む人にとっては直接的には関わりがない分野の事例かもしれないが、小さな積み重ねから変えていく、環境問題への取り組み・姿勢を考える材料になる好例ではないだろうか。

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