『うさぎドロップ』は、主人公「河地大吉」が祖父の隠し子である「鹿賀りん」を育てる育児漫画だと思っている人はいませんか?確かに前半は大吉が子育てに奮闘するストーリーなのですが、後半は成長したりん(と大吉)の、実は10年ものの壮大な恋愛漫画なのです。現代版の光源氏といっても過言ではないのかもしれません。今回は、そんな「河地大吉」の魅力についてご紹介します。
【※一部、ネタバレの内容を含む可能性が御座います。ご注意下さい。】
■思い立ったら即行動
りんを引き取ることになった理由は、祖父の葬式の後、誰もりんを引き取ろうとしなかったから・・・。祖父の死に涙を流すりんを見て、「自分が守ってやろう」と思ったのですね(子供は苦手だったはずなのに)。そしてりんを育てるために、花形部署から残業の少ない部署への異動を自ら志願。こんな思い切りの良い行動、なかなか取れるものではありません。とはいえ、恋愛についてはとても慎重派なようで、りんに告白された時も「2年待って欲しい」と言っています。子供の扱いは上手になっても、女性の扱いは苦手なままのようです。
■健康優良児?
子供の頃は、Tシャツに短パン姿で学校の廊下を走り回り、給食時間は誰よりも早く食べ終えることがモットー。そんなやんちゃ坊主が成長した姿が大吉です。本人は子供が苦手と言っていますが、いざ子供と遊ぶとなると同じ目線に立って遊んでくれるので、子供には人気です。大吉のパパぶりが様になっているのも、子供の頃の大吉がルーツになっているのかもしれません。りんという若いお嫁さんも貰うことですし、大吉ならきっとりんを育てた経験を、自分の子供を育てる時にも役立てられるはず。良いお父さんになりますね。
■りんは理想の娘で高嶺の花
成績優秀、料理上手に編み物上手。おまけに倹約家で無駄使いもなし。そのようにりんを育てたのは大吉自身ですが、完璧に育った娘が選んだのは大吉だったというわけですね。
父親の立場から考えると、大切な娘を手放すのは惜しく、しかし大切な女性に愛されていることが分かり拒否をすることもできない。自分自身が1人2役となって葛藤する羽目になり、りんに告白されて以降の2年間、大吉はある意味心の中が修羅場だったかもしれません。40過ぎた大人が「母ちゃんに何ていえばいいんだ・・・」と焦ってる姿は可愛かったですね。結局、大吉はりんとの交際について、どのように親にカミングアウトしたのでしょうか・・・?
大吉はただのイクメンではありません。イクメンと恋人を見事に共存させた稀有な男なのです。 大吉がお父さんだったらいいなぁと思う人、大吉とだったら子育てしたみたいなぁと思う人がたくさんいると思います。そんな魅力的な「河地大吉」の姿、そして『うさぎドロップ』というハートウォーミングな名作を、ぜひご自身の目でお楽しみ下さい。
【最新ランキング】アニメファンが選んだ 人気声優ランキング2015 TOP30【原稿作成時期の都合により、内容や表現が古い場合も御座いますがご了承下さい】
★記者:あきにゃん(キャラペディア公式ライター)
(C) 2011 宇仁田ゆみ/祥伝社/アニメ「うさぎドロップ」製作委員会