『SHIROBAKO』などで高い評価を受ける富山県のアニメスタジオ「P.A.WORKS」の初めてのオリジナル作品が『花咲くいろは』です。石川県の架空の温泉地を舞台に、仕事と学業を両立させながら頑張る女の子の姿が描かれます。それまで、アニメで描かれることのあまりなかった「働く」というテーマでありながら、説教臭くない爽やかな青春アニメに仕上がっています。
今回ご紹介する「鶴来民子(つるぎみんこ)」は、主人公の「松前緒花」と同じ湯乃鷺温泉の温泉宿「喜翆荘」で働く女の子です。
【※一部、ネタバレの内容を含む可能性が御座います。ご注意下さい。】
■職人気質
民子は、作中世界で出版されているマンガ『流れ包丁鉄平』(『包丁人味○』のような絵柄の荒唐無稽な料理マンガ)に憧れて料理人を志し、高校に通いながら喜翆荘で料理修行をしています。板前への情熱は一途ながら少し不器用。いつも失敗をしては、先輩の「宮岸徹」に叱られています。
しかし、仕事が終わってから深夜まで、仕事前の早朝に、常に包丁の練習や仕込みをしたり、給料で仕事では使わせてもらえないような高級食材を買って研究するなど、非常に努力家でもあります。
■変なところで女
外見がとても美しい民子は、学校では「民子姫」と呼ばれ、男子生徒からの告白される事も多いようです。ただ、本人は自分が喜翆荘で働けるようにとりなしてくれた徹に恋をしているので、同年代の男子には見向きもしません。ファッションには無頓着。普段着はジャージで、女の子らしくするよりも料理のことを考えたり修行をすることが大切と、女であるより板前であろうとする意識があるようです。
しかし、徹が緒花のことを気にしていることに気付くと、緒花に当たったり、徹のことが気になって仕事がおろそかになったり、気に入らない事があるとヒステリックに叫びだすなど、悪い部分で女が出てしまう、少しめんどくさい子です。
そんなめんどくさい民子ですが、ある日喜翆荘に泊まったサバゲーマーに、おにぎりが「おふくろの味」と言われて喜んだり、最初は折り合いが悪かった緒花に少しずつ心を開き、緒花が熱を出して気弱になり「自分はもういらないのか」と泣きだした時に「あんたがいないと無理だから」と慰めたりするなど、かわいい部分も持っています。
■夢は「喜翆荘の板前」
民子は、自分を受け入れてくれて苦楽を共にした喜翆荘のことが大好きになっていました。そして、喜翆荘が一時閉鎖されることになった頃には、民子の夢はただ板前になるのではなく「喜翆荘の板前」になることになっていました。
目上には従順ながら同年代にはとげとげしく、誤解されやすくて損をしているキャラクターだと思います。その一途さが、色々な経験を積んでいくことでプラスに活かされるようになれば、外見の美しさに内面がともなった素敵な女性になれるのではないでしょうか?いつか「喜翆荘の板前」として働く「鶴来民子」の姿、ぜひ見てみたいですね。
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★記者:玄Kuro(キャラペディア公式ライター)
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