自然に囲まれた山奥にある村「雛見沢」。そこの権力者である御三家『園崎家』頭首の孫娘であり、次期頭首である「園崎魅音」とは姉妹である「園崎詩音」。詩音は長い間、とある理由から、あまり公には姿を現しませんでした。今回は、そんな少しワケありな「園崎詩音」について語ってみたいと思います。
【※一部、ネタバレの内容を含む可能性が御座います。ご注意下さい。】
■ちょっぴり意地悪
一卵性の双子なので、姉妹の魅音とは姿形がそっくりです。髪型や服装の好みが違うので、それほど外見で区別しにくいという訳ではありませんが、それらを統一してしまうと全く同じで区別がつきません。性格を含め、喋り方や声がそれぞれ微妙に違うので、親しい人ならば彼女達を識別することが出来ると思いますが、詩音は魅音の真似が上手なので、その気になれば完全に魅音になりきることも。
実際、詩音が働いているエンジェルモートへ圭一が客として訪れた時も、詩音と魅音を勘違したまま交友を続け、実際に魅音と鉢合わせになるまで気づきませんでした(むしろ、魅音が照れて双子という設定を作ったとまで勘違いされていました)。そんな圭一をからかうように、あえて魅音のフリでやたらと誘惑したり、魅音の前で圭一といちゃついてみせたり、多少(?)意地悪な面もあります。しかし、圭一もまんざらでもない様子・・・。詩音さんになら騙されてもいいかもしれません(笑)。
■悟史との出会い
園崎家では、将来頭首を決める時に揉め事を起こさないために、双子の子供が生まれたらひとりは殺さなければならないという決まりがありました。しかし、それは結局実行されず、その代わりに詩音は“居なかった子供”として、雛見沢を離れてひっそりと暮らしていました。それを不憫に思っていた魅音は、時々彼女と交代し、詩音が魅音として振る舞うことで詩音を雛見沢で自由に行動できるようにします。
そんなある時、詩音は不良に絡まれていたところを「北条悟史」という少年に助けられます。実は悟史は魅音の友人で、最初こそ魅音と思い込まれていましたが、とあるきっかけで詩音であることが分かり、魅音と共に仲良くしていました。そして、優しい悟史に詩音はだんだんと惹かれていきます・・・。それはまさに“純愛”といった感じで、今まで窮屈な思いをしてきた詩音が、やっと幸せを堪能できる時間でした。それまでの彼女の境遇を思うと、背中を押して応援したくなりますね。
■悟史との約束
悟史が失踪する直前、詩音に彼の妹である「沙都子」を頼むと言い残します。しかし、詩音はその約束よりも、彼が失踪した原因が妹の沙都子にあると思い込み、彼女への憎悪を燃やしてしまうのです・・・。一度は心の奥底にしまった憎しみの気持ちですが、あることをきっかけにあふれ返り、取り返しの付かない事態を引き起こします・・・。
最後の最後に詩音は己の過ちに気付き、絶対に悟史との約束を守ろうと固く誓います。その後は、沙都子の優しいお姉ちゃんとして、いつか悟史が帰ってくる時まで一緒に彼の帰りを待つのでした。良くも悪くも詩音は、想いがとても強い子なのだと思います。だからこそ、使い方を誤れば惨劇を生んでしまいますし、逆にそれを良い方向に向かわせることが出来たのなら、きっとこれほどまで一途な女性もいないと思います。
想いの強さなら誰にも負けない「園崎詩音」。きっと、その想いが悪い方向に向かいすぎたのでしょう。割と器用でしたたかな印象を受ける彼女ですが、実は案外不器用なのかもしれません。またいつか悟史が戻ってきて、圭一やレナ達と一緒に仲良く笑顔で過ごせる日が来たらいいなと願わずにはいられません・・・。
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★記者:真夏日(キャラペディア公式ライター)
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