音楽に関わる思春期の少年少女を、等身大に描いたアニメ『四月は君の嘘』。原作はアニメに先駆けて2015年の2月に完結しました。今回はその中から、「人間メトロノーム」と揶揄されたこともある、主人公「有馬公生(ありまこうせい)」について紹介したいと思います。
【※一部、ネタバレの内容を含む可能性が御座います。ご注意下さい。】
■のどかに青春を楽しむ
癖っ毛の髪、黒縁の眼鏡、意思の強そうな深い瞳。ソフトボール部の「澤部椿(さわべつばき)」、サッカー部の「渡亮太(わたりりょうた)」、二人の騒がしい幼馴染のバランサーのように突っ込み役に回ることが多いです。二人に迷惑もかけられつつも縁を切ろうとはしない、文句をいうこともありますが、三人でいるときの穏やかな雰囲気を楽しんでいる、そんな印象です。
■人間メトロノーム
彼の生まれて初めての舞台での演奏は、後のあだ名である「人間メトロノーム」とはかけはなれたものでした。緊張して舞台に上がりつつも、ピアノを弾く楽しさを感じさせる、見る人の心を動かす演奏でした。しかし、彼の母親である「有馬早希(ありまさき)」は、その演奏で彼の“コンテスタントとしての才能”に気づき、それを最優先しようとしてしまいます。彼女には残された時間が少なく、自分のいなくなった後も息子がピアノの世界で生きていけるように、とそれを一番に指導してしまったのです。母親の愛を得たい一心から、懸命に母親の望む演奏を覚え、結果的に「人間メトロノーム」は完成することになります。
■一つの出会い
そんな彼が音楽の道に立ち返るきっかけになる少女が一人。「宮園かをり(みやぞのかをり)」というヴァイオリニストです。公生君は、彼女と出会ったことでどんどん感情豊かな表情を見せるようになっていきます。衝突しつつも、彼女に振り回されるようにして音楽の楽しさを思い出し、彼はピアニストとしての道を再び歩きだします。やはり、音楽家は感受性豊かなのでしょう。心の動きあってこその音楽といった感じです。
■大事なものは目に見えない
ピアノを弾くことで、自分のさまざまな癖や動きの中に“母の記憶”があることを自覚します。厳しい指導もあって、自分が母親に愛されているのかどうかわからなくなり、そのまま母親が亡くなってしまった・・・、そんな辛い記憶からピアノを真剣に弾くことを避けていた「有馬公生」。再び真剣にピアノを弾いたことで、母と意思を交わせたように感じます。どうしようもなく涙があふれますが、喜びから来る涙は良いものですね。
【最新ランキング】もっとも魅力的なシンデレラバスト(貧乳)キャラ TOP20【原稿作成時期の都合により、内容や表現が古い場合も御座いますがご了承下さい】
★記者:かささぎ(キャラペディア公式ライター)
(C) 新川直司・講談社/「四月は君の嘘」製作委員会