東芝・太陽光で水素を生成する自立型エネルギー供給システムを実装

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2015年04月29日 09:30  FUTURUS

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FUTURUS(フトゥールス)

スマートコミュニティの実現に向け、“エネルギー”、“交通”、“生活”の分野で様々な取組みを進めている東芝が川崎市と共同で2015年4月20日に『H2One(エイチツーワン)』の実証運転を開始した。

『H2One』は自立型エネルギー供給システム

『H2One』は太陽光発電設備、蓄電池、水素製造用水電気分解装置、水素貯蔵タンク、燃料電池などを組み合わせた自立型のエネルギー供給システムだ。

東芝が設備の設計、建設、保守を担当、水素エネルギーの積極的な導入と活用を目指す川崎市が実証試験の環境を提供しており、得られた成果をスマートコミュニティの実現に向けて活用すべく、両者は2013年10月に協定を締結している。

TOSHIBA_H2One

太陽光で水素を生成し燃料電池で電気・温水を供給

『H2One』では太陽光発電による電気で水を電気分解して水素を発生させ、燃料電池の燃料として活用、電気と温水を供給する。太陽光発電を補う蓄電池にはリチウムイオン2次電池『SCiB』を採用。

燃料電池には耐久性の高い燃料電池『エネファーム』をベースとした純水素型燃料電池を使用、長期間の安定稼働を実現している。

TOSHIBA_H2One

『H2One』は川崎市臨海部の公共施設『川崎マリエン』に設置されており、300名に約1週間分の電気と温水を供給することができる。

災害発生地でのエネルギー供給が可能

システムはコンテナ型パッケージとなっており、トレーラーでの輸送が可能なので、もし災害でライフラインが寸断された場合でも電気と温水を供給することが可能だ。


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また平常時には水素EMS(エネルギーマネジメントシステム)により、水素の製造量、蓄電量、発電量などを最適に制御することで、電力のピークシフトやピークカットに対応する。

東芝は今回の実証運転を通して災害時の水素供給継続性と平常時の水素EMSの有効性を検証することで『H2One』システム全体の高効率化に繋げる計画。

その上で更なる水素備蓄機能強化により、“完全地産地消型”のエネルギー供給システムとしての展開を予定しているそうだ。

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