![](https://news-image.mixi.net/article/218/218_20150429_102925_004.jpg)
オーストリア・ウィーンで建設予定のビルは、完成すれば“ある意味”世界一高い建物になる。
アメリカのニュースサイト『the gardian』によると、予定されているビルの高さは84m。世界第2位の高さを誇る東京スカイツリーが634mだから、一見たいしたことないのでは? とも思えてしまうが、問題は使われる材質。なんと、全体の76%に“木”を使うというのだ!
HoHoプロジェクトと名付けられたこの計画、要は“世界一高い木造高層ビル”を作ろうというものだ。建設予定地はウィーンの『the Seestadt Aspern area』、現在ヨーロッパで最大級の都市開発区域のひとつだ。
建設は、地元の建築家グループが担当。完成すれば、ビル内にはオフィスや住居、ホテルやレストランにフィットネスセンターなどが入る予定だという。
CO2排出量を2,800トンも抑えられる!?
76%に木材、残りはコンクリートを組み合わせて作るというこのビル。さすが芸術の都ウィーン、見た目にもこだわっているのか? と思いきや、木を使う一番の目的は“環境への配慮”なのだそうだ。
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プロジェクト開発者のキャロライン・パルフィ氏によると
木は環境を考慮した場合には完璧な建築用素材です。200年以上前から使われていますが、現在でもこれほど完璧な素材はないですね。
このビルでは全体の76%に木材を使うことで、同様の建物を全てコンクリートで作った場合に比べ、2,800トンのCO2削減につながります
CO2排出量“2,800トン”は、クルマが約40キロの距離を1,300年間毎日走った場合に出す量と同じ。しかも、木は大気からCO2を吸収してもくれる。それらの点で、ビルの素材は“木が最高”なのだという。
![An apartment in the HoHo skyscraper](http://nge.jp/wp-content/uploads/2015/04/An-apartment-in-the-HoHo-007.jpg)
安全面に憂慮する消防署
いいことずくしのように思えるこの計画だが、地元の消防署は難色を示している。木造であるが故に耐久性などの安全面を懸念していて、建築許可をだしていないのだ。
消防署の広報担当クリスチャン・ウェグナー氏は説明する。
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コンクリートと木を組み合わせた建造物には特別なテストが必要です。また、もっと安全なスプリンクラーシステムも用意しないとならない
確かに、一般的なコンクリート製ビルに比べると、災害時にはやや不安。特に、もし火災があった場合には、木造の方が全体に火の手が回るのが早く、逃げ遅れる人がより多くでそうだ。
ちなみに、オーストリア国民党(OVP)は建設擁護の立場だ。
広報担当のカトリーナ・リデール氏は語る
確かにウィーンは高層ビル都市ではないけれど、新しいことを試すのがなぜ悪いのか?
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環境への配慮か? 安全第一か? ビル建設が実現するかどうかは興味深いところだ。今後の動向に注目したい。