なるほど!「車酔い」解消には次世代エコカーが最適なワケ

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2015年05月05日 09:30  FUTURUS

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FUTURUS(フトゥールス)

“クルマ酔い”で辛い思いをしている人は年齢を問わず、意外に多いようだ。

ある統計によるとクルマ酔いする人は10代では男女共に全体の3〜4割程度と大きな差はないが、15歳頃を境に男性の場合は1割程度に減少、女性の場合はそれ以降も3割程度の人がクルマ酔いする傾向がみられるそうだ。

医学的観点でみると、クルマ酔いには自律神経が大きく寄与しており、平衡機能失調時に症状がでやすいという。例えば走行中に車内で本を読んだり、急カーブや急発進、急ブレーキが連続するとクルマ酔いの症状が顕著に表れやすい。

“クルマ酔い”の原因は視覚と感覚のズレ

人はクルマの加減速や体の傾斜などの刺激を内耳にある三半規管で捉えており、その情報が脳を経由して眼球に伝わり、眼球の位置を頭の動きに合せて協調制御している。

しかし三半規管が感じている頭の動きに対して、目から入る情報に予想外のズレが生じると脳の情報処理が混乱して自律神経が失調、嘔吐感に繋がるようだ。勿論、体調によっても症状の大小に差がでるが、遠くを見るようにすると比較的症状が軽くなるのは内耳で捉えた頭の位置情報と目から入る情報間のズレが少なくなるため。

一方、普段助手席などではクルマに酔う人でも自身がハンドルを握って運転する場合は酔わないというのはクルマの揺れに対して予め身構えていることや、運転に神経を集中しているためとされている。

次世代エコカーはクルマ酔いしにくい?

前置きがやや長くなったが、色々なクルマを普段から試乗しているモータージャーナリストの間からはEVやPHVなどの“次世代エコカーの方がクルマ酔いしにくい”といった声がきかれる。

事実だとしたら、クルマ酔いで悩んでいる人には朗報となりそうだ。これはクルマの構造を考察すると、うなずけるフシがある。

HONDA

というのも、モーターで走行するEVやPHVの場合、ガソリン車やHVに比べてバッテリーを多く搭載している分、かなりの重量増に繋がっている。

例えば約26kmのモーター走行が可能なトヨタプリウスの場合、売れ筋のGグレードでPHVとHVを比較すると、PHV(1,420kg)−HV(1,350kg)=70kgと約大人1人分の重量差がある。

同様に約38kmのモーター走行が可能なホンダアコードPHEVの場合、HVとの重量差は110kg、三菱アウトランダーPHEVのような60kmを超えるモーター走行が可能なモデルになると、ガソリンモデルとの車重差は1,780kg−1,520kg=260kgと実に大人4人分相当の重量差が存在する。

MITSUBISHI

実はこの重量差がクラスを超えた大型車のようなドッシリと安定した走りを生みだすため、前後左右方向への揺れが減少する傾向にある。またアウトランダーPHEVの場合、重量物である駆動用バッテリーの搭載位置に大きな特徴がある。

クルマは重心が低いほど無駄に揺れない

一般的に揺れが少ないバランスの良い走りを実現するにはドライバーを含めた重量物をできるだけ車両中央に集めるのが好ましく、コーナーリング性能を高めるためにもフロア床面などの低い位置に搭載して低重心化するのがセオリーとなっている。


動画を別画面で再生する

従ってEVやPHEVなどのバッテリーを多く搭載しているクルマは設計段階で従来車以上に低重心化に配慮されているため、通常モデルに比べて発進・停止時のノーズダイブやコーナリング時の姿勢変化が少なく、走りが安定しているのだ。

これはフロアー全面にバッテリーを薄く敷き詰めているテスラ『モデルS』にもあてはまる。

TESLA

こうした背景から、“次世代エコカーのほうがクルマ酔いしにくい”とする見解にはそれなりの裏付けが伴っていることがわかる。

嘘だと思うなら是非一度試乗されることをお薦めしたい。

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  • 重心が低いと酔わないなら低重心の水平対向エンジンのスバル車がうってつけだな!
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