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飲み物の持ち運びが簡単にできるペットボトルは私たちの生活を大変便利にしたが、その一方で大量のゴミという新たな問題を生み出してきた。大半のペットボトルが有効にリサイクルされていないというデータもあり、依然として処理方法などの課題が残っている。
これに関連したソリューションとして先ごろから大きな話題になっているのが、昨年の『Lexus Design Award』に入賞し、4月に行われた『ミラノデザインウィーク』で展示された『Ooho!』という飲料コンテナだ。
“spherification(液体化)”という技術で液体をジェル状の膜で包みこむ
『Ooho!』は、食べることもでき、生物分解性のあるウォーターボトル。英ロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アートを卒業した3人のデザイナー/エンジニアが結成したイノベーション・ラボ『Skipping Rocks Lab』のメンバーが共同で手掛けた初プロジェクトだ。
昆布やワカメに代表される褐藻と塩化カルシウムから作られた、ジェル状の膜で液体を包みこむというカラクリで、スペインのレストラン『エル・ブジ』の料理長フェラン・アドリアが広めた『spherification』という液体を球状に成形する技術を使っているそうだ。
![Ooho 水 ペットボトル](http://nge.jp/wp-content/uploads/2015/05/Ooho2.jpg)
従来のパッケージについての考え方に挑戦
メンバーのひとりPierre Paslier氏は、『Ooho!』が私たちが持つ液体パッケージについての考え方に挑戦していると強調。
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我々は、このアイデアが、今日私たちが引き起こしている大きな問題への、急進的なソリューションをもたらすことを信じている
と話している。
また、彼らはこの方法を採用することがメーカーにとってもコスト減のメリットとなると指摘。ひとつのかたまりは40ml程度の内容量だが、材料のほとんどが水であるため、1個あたり2セントで作成できる。すぐにメーカーが『Ooho!』に変更する動きを見せなかった場合でも、ぜひ家のキッチンで作って見てほしいと呼びかけている。
オンラインマガジンの『Inhabitat』は、同様の液体パッケージを作るDIYビデオを公開。こちらの方法では、塩化カルシウムの代わりに乳酸カルシウムを利用しているが、オリジナルよりも膜の強度がやや劣る結果になったようだ。
『Inhabitat』が紹介している手順は次の通り。
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(1)水1カップに1gのアルギン酸を入れ、ハンドブレンダーでよく混ぜる。気泡がなくなるまで15分ほど置いておく。
(2)大き目のボウルに張った水4カップに、5gの乳酸カルシウムを加えスプーンを使って混ぜ合わせる。
(3)1の液体を2のボウルに落とす。ボウルが窮屈にならない程度繰り返す。
(4) 3分ほどゆっくりかき混ぜたら、球体をスプーンですくい、水を張った別のボウルに移動させる。
![Ooho 水 ペットボトル](http://nge.jp/wp-content/uploads/2015/05/Ooho3.jpg)
どのように衛生的に、何個も持ち運ぶか、あるいは膜を破る際に顔や服が濡れないためにはどうすればいいか、と実際的な課題はまだあるが、環境問題への意識と解決のためのアイデアが非常に優れているこちらのパッケージ。今後も研究が進み、実用的なレベルでの製品化も遠い話ではないのかもしれない。興味がある方はぜひ自宅でも取り組んでみてはいかがだろうか。
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