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最新技術を取り入れた研究・開発が進められ、繰り返しイノベーションを続けているという消防・防災分野。このほど業界大手モリタグループは、水を使用せずに防消火を行う車両のミニチュア版を発表し、大きな注目を集めている。
水を使用せず防消火をおこなう消防車のミニチュア版
業界トップシェアを誇る消防車をはじめ、消火器、消火設備も取り扱う防災製品メーカーのモリタは、6月にドイツ・ハノーバーにおいて開催される消防防災展“INTERSCHUTZ 2015(インターシュッツ 2015)”に、水を使用せず防消火をおこなう消防車のミニチュアモデル『Habot-mini(ハボット ミニ)』を出展する。5年に1度開催される同展は、49ヶ国から1,400以上の団体が出展し、期間中に10万人以上の来場者が見込まれる“世界最大級”の防災展だ。
賢くて忠実な子犬(ハチ公)をイメージしてネーミングされたという『Habot-mini』は、空気から窒素濃度を高めた気体(NEA)を連続的に放出することができ、水の確保が困難な大災害時に対応する新たな防消火システムだ。
空気の窒素濃度をコントロールし燃焼できない酸素濃度を維持
同車両は、昨年9月にモリタが発表した消防車『Miracle N7(ミラクル エヌセブン)』をモデルにしたもの。『Miracle N7』は、通常の消防設備が損傷し使用が困難になった際のバックアップ消火システムとして研究・開発が進められた。
このNEAシステムは空気の窒素濃度をコントロールし、人体への影響が小さく燃焼できない酸素濃度(12.5%)を維持することが可能な、これまでにない画期的なガス系消火システム。石油備蓄基地や水損被害が危惧される博物館や美術館、文化施設、データセンターといった場所での活用が期待されている。
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![Habot-mini モリタ インターシュッツ](http://nge.jp/wp-content/uploads/2015/05/Habot-mini2.jpg)
今回展示される『Habot-mini』は、『Miracle N7』の機能はそのままに、近未来型の消防車をイメージしたデザインコンセプトを採用。車両自体の重量は50kgで、車体前方に設置された窒素吐出ホースからNEAの放出を行う設計になっている。
展示会場では、災害現場を想定した消火の実演も行うことが予定されており業界関係者の注目を集めそうだ。同社の技術力を世界にアピールすると同時に、世界中でニーズのあるところへ『Habot-mini』が届くきっかけになるのではないだろうか。