ネパール地震で大活躍したNASAのテクノロジー「FINDER」

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2015年05月15日 06:30  FUTURUS

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FUTURUS(フトゥールス)

2015年4月25日に8,000人以上が死亡した大地震が発生したネパールでは、その後も揺れが続いており、5月12日にも大規模な地震が発生している。今回の地震では、NASAとDHS(米国国土安全保障省)が共同開発していた『FINDER』という名の最新の機材が初めて投入され、実際に効力を発揮した。

『FINDER』は“Finding Individuals for Disaster and Emergency Response”の頭文字から名付けられた。そもそもは、他の惑星で生命体を探索するレーダーだが、それを発展させた技術が採用された機材だという。

瓦礫の下に埋もれた生存者を検知せよ

『FINDER』は災害現場などで生存者を探索するために開発された機材で、NASAとDHSが3年間かけて共同開発していた。この『FINDER』のプロトタイプ2機が大地震後のネパールに持ち込まれ、初めて実際の災害現場での人命救助に活用された。そしてすぐに性能が発揮され、4人の人命を救助することに役立っている。

『FINDER』は人の心臓の鼓動を検知する。レーダーは前後左右をカバーしており、生存者を検知すると、その方角を端末に表示する。

FINDERの端末をチェック

検知可能距離は約30メートル先を1分ちょっとで検知できる。テストでは、6メートルのコンクリートを通過して検知することができている。

最新の宇宙技術が応用された『FINDER』は、瓦礫の下に埋まってしまった生存者のわずかな心臓の鼓動をキャッチできるのだ。その性能は実際に実証された。今回救出された4人は、瓦礫の山の3メートル以上も下に生き埋めになっていたのだ。『FINDER』は実際の災害現場で、優れた性能を発揮したと言える。

宇宙開発の技術が地球上でも役立つ事例となる

『FINDER』は改良を重ねるうちに、一度に複数の生存者を検知できたり、機材のサイズを災害現場に持ち込みやすい程にコンパクトにしてきた。

FINDER Demonstration

DHSは今後、米国内に『FINDER』を配備する計画を持っているようだが、他の国からも問い合わせがあるため、市販することも検討中だという。

『FINDER』は、宇宙開発の技術が、地上での災害に役立つという実例の一つとなった。

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