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米国では、歴史上初めて5つの世代が職場で席を並べることになっている。それは、トラディショナリスト世代(1928〜45年生まれ)、ベビーブーマー(1945〜64年生まれ)、ジェネレーションX(1965〜79年生まれ)、ミレニアルズ(1980〜2000年生まれ)、そしてジェネレーションZ(ミレニアルズ以降の生まれ)だ。
彼らは、職場では同じ環境で同じように働きながらも、個人的な問題には同じ反応を示すわけではない。『BDA(Bensinger, DuPont & Associates)』の報告によれば、特にミレニアルズは最もうつ病である割合が多いことが分かった。『BDA』は『EPA(Employee Assistance Program:従業員支援プログラム)』を必要としている従業員から18ヶ月間のデータを調査したのだ。
さて、ここであまり馴染みがないかもしれない“ミレニアルズ”と呼ばれる世代について簡単に触れておきたい。
ミレニアルズの特徴
ミレニアルズは今時の若者と言って良い。実は明確な定義は存在しないようだが、1980年代から2000年までに生まれた世代を示している。丁度両親が自己中心的といわれるベビーブーマーにあたる。
そんな親たちが自尊心を高める教育に熱心だったためか、ミレニアルズは良かれ悪しかれ自尊心が強く、常に自分は本当はもっと凄いはずなんだ、と思いがちであるという。
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これが他者との関係を築く際にマイナスに働くのか、未婚率が高いという特徴がでてきているようだ。また、両親と共に暮らす傾向もある。
![Businessman feeling in blue](http://nge.jp/wp-content/uploads/2015/05/imasia_11895318_S.jpg)
ミレニアルズは親の団塊の世代とは異なり、社会の変革を求めて行動するという意欲はないらしい。そのため、政治にも関心は薄い。
一方、コンピューター時代に生まれたため、ネットを利用し個人としての情報発信や主張を行うことは得意だ。ブログやYueTubeを利用することに秀でている。
総じてナルシストになりがちな傾向がある彼らだが、差別は嫌い、他者との意見の相違などには寛大で、性格は良いとも言われている。
うつ病の経済的インパクト
さて、彼らのうつ病のインパクトは、仕事で彼らの能力が十分に発揮できなくなってしまうことだ。そして職場でのうつ病は、欠勤や仕事の欠落、周りとの緊張関係やもめ事を引き起こしてしまい、その結果、口頭や書面による懲戒処分を受けるはめになってしまうのだ。
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しかも、うつ病の人達の75%は正式な治療を受けていないという。そしてうつ病による長期不在は、経済的コストとして毎年230億ドル以上を必要としている。
![Businessman on Euro Crisis](http://nge.jp/wp-content/uploads/2015/05/imasia_13035850_S.jpg)
そのため、現在の公衆衛生への取り組みでは、うつ病による社会的・経済的損害に対する理解を強めることで、職場がうつ病に対処する必要も明らかになっているのだと考えられるだろう。
これらの調査結果から、『BDA』は雇用者と被雇用者が容易にうつ病の兆候を発見できるように、職場がトレーニングや情報提供を受けるように促している。すなわち、うつ病の従業員を助けるための“多世代戦略”を推奨しているわけだ。
経験豊富な臨床医とEPAの組み合わせが、今日の従業員にとって、重要な支えとなるだろう。