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英国でバッテリーR&D事業を手掛ける『FARADION』がナトリウムイオン電池を搭載した世界初の電動自転車を開発したと発表した。
同社はこれまでのリチウムイオン電池に比べてコストを大幅に抑えたナトリウムイオン電池を開発。
この電動自転車はその技術力を実証するためのもので、ウイリアムズF1の関連会社である、ウイリアムズ・アドバンスド・エンジニアリング社で実証テストを行っている。
性能はリチウムイオン電池と同等
『FARADION』のナトリウムイオン電池はリチウムイオン電池と同等の性能を持ち、1kWhあたりのコストを約30%引き下げることが可能なほか、環境面や安全性の観点で有利としている。
![FARADION](http://nge.jp/wp-content/uploads/2015/06/FARADION_06-690x515.jpg)
電動自転車用のバッテリーパックはウイリアムズ・アドバンスド・エンジニアリング社によって設計・製造され、同社のバッテリー管理システムによって制御されている。
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![FARADION](http://nge.jp/wp-content/uploads/2015/06/FARADION_01-690x459.jpg)
電池は4つのモジュールで構成されており、1モジュールに12枚の『FARADION』セルが収められている。
![FARADION](http://nge.jp/wp-content/uploads/2015/06/FARADION_05.png)
ウィリアムズ社はフォーミュラE用の電気エネルギー貯蔵に関する設計・製造で実績を持っており、実証中の試作電池は開発費の低減と製造工程短縮のために必要以上に大きなサイズとなっているが、最適化すれば一般的なリチウムイオン電池並みのサイズになると言う。
EVやPHVの低コスト化に寄与するデバイス
ナトリウムイオン電池については日本でも研究されており、東大工学部が先頃、急速充電や長時間の電流供給、繰り返しの充放電に対する安定性など、次世代電池に必要な性能を満たしていることを確認したとしている。
現在、リチウムイオン電池は携帯電話やEVなど多種多様な用途に使われているが、リチウムやコバルトといった希少な元素を使用しており、その産出国も限られるが、ナトリウムは海水の塩から無尽蔵に近い量を低コストで採取できる。
リチウムイオン電池並みの容量や充放電性能が確保できればコストのみならず、資源の国内調達という大きなメリットをもたらすことになる。
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今回は電動自転車への応用例だが、電気エネルギーの貯蔵用途やEV、PHV用など広範囲に活用できる可能性があり、二次電池の低コスト化に大きく貢献する可能性を秘めている。