フィアットクライスラーの圧縮空気ハイブリッドシステム車「SRT トマホーク」

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2015年06月09日 06:20  FUTURUS

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FUTURUS(フトゥールス)

米ミシガン州に本社を置くFCA(Fiat Chrysler Automobiles) US LLCが先頃、デトロイトで『SRT トマホーク ビジョン グランツーリスモ』を発表した。

FCAが『GT6』用にスーパーマシンを創造

FCAはその名が示すように、イタリアのフィアット社が米クライスラー社を統合して昨年1月に新たに発足した自動車会社で、米国新車市場での販売シェアは首位のGM(17.7%)、2位のフォード(15.1%)、3位のトヨタ(14.5%)に続く4位(12.5%)の位置付けとなっている。

『SRTトマホーク』は北米フィアット・クライスラーのハイパフォーマンス部門を担う『SRT(Street and Racing Technology)』が2035年のスポーツカーをテーマに開発したバーチャルマシン。

プレイステーション3用のリアル・ドライビング・シミュレーター『グランツーリスモ6』で展開している『ビジョン GT』シリーズの中の1台として今夏デビューする。


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エクステリアデザインはFCA US LLC社内コンペティションで選ばれた「ポール・ホステ」によるもので、デザイン部門とSRTエンジニアリングが集結、グランツーリスモ6のユーザーに最高のドライビング体験をもたらすために創造された。

前輪空圧駆動などニューテクノロジーを満載

バーチャルマシンとはいえ、近年のレーシングカーの一歩も二歩も先を行くアイデアとテクノロジーが満載されている。

コクピットやエンジンカバーを形成する透明パーツに話題の炭素原子結合体の『グラフェン』を採用。ドライバーが目にする計器やコミュニケーション情報はコクピット前面のグラフェン上にオーバーレイ表示される。

SRT_Tomahawk

シート背後にミッドマウントしたバンク角144度の7.0 LV10エンジンで後輪を駆動、前輪は“空圧パワーユニット”による圧縮空気で駆動する4WDのハイブリッドマシンとなっている。

想像を超えるコーナリングGに耐えるため、ドライバーはGスーツを着用する。

SRT_Tomahawk

空圧パワーユニットは前輪の駆動だけでなく、エアサス・システムやGスーツの加圧などの役割も担っており、加圧されたエアはシャシーに備えたチャージタンクに貯蔵される。

前後のフェンダー上部やボディサイド後端、リアエンドにアクティブなエアロパネルを装備。このパネルを空圧パワーユニットの力で作動させることでダウンフォースの発生やコーナリング中のヨーコントロールを行う。

これは航空機のフラップ、もしくはエアブレーキに近いシステムだ。


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車両をコーナーに向けて倒しこむ革命的なアクティブキャンバーシステムを採用。

タイヤのキャンバー角を積極的にコントロールすることで、最適な接地面維持とグリップを確保。強烈なコーナリング/ダウンフォースに耐えるべく、タイヤには次世代の素材・構造が採用されている。

操縦技量に合せて3バージョン用意

『SRTトマホーク』にはプレイヤーの技量に合せてチョイス可能な3仕様が存在。

SRT_Tomahawk

レースチューンが施された『GTS-R』バージョン(画像左)ではエンジンの出力が1,137hpにアップ、前輪で発生する313hpを加え、システム出力1,450hpを発生。

アグレッシブな軽量化により車重は全バージョン中最軽量の662kgに抑えられており、トップスピードは480km/h以上を誇る。

また『X』バージョン(画像右)は実験的なテクノロジーを数多く取り入れた究極バージョンで、エンジンのレッドソーンは14,500rpm、最高出力2,168hpを発生。

フロントホイールが生み出す422psと併せると総出力は2,590hpとなり、最高速度は航空機の巡航速度並みの650km/hに達する。

SRT_Tomahawk

山内一典氏によって生みだされ、ソニー・コンピュータエンタテインメントから1997年に発売されて以降、累計販売数が2013年末に7,000万本を突破するなど、世界的に絶大な人気を誇る『グランツーリスモ』シリーズ。

タイトルソングなどの楽曲を往年のフュージョンバンド『スクエア』のギタリスト、安藤まさひろ氏が作曲・演奏を担当していることでも注目を集めた。

『ビジョンGT』に世界の自動車大手が参画

今回の『ビジョンGT』シリーズにはメルセデスベンツ、VW、BMW、プジョーを始め、国内ではトヨタ、日産、スバル、マツダ、三菱など世界各社が参画しており、各社のデザイナーが本気になってこれまでにない画期的なマシンを創造している。

同シリーズでは走行時のマシンの挙動は勿論、エンジンサウンドも“リアル”を徹底追及しているだけに、GT6ファンにとっては今夏の同車の登場が待ち遠しいところだ。

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