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いよいよ女性用バイアグラと呼ばれる薬が市販されるかもしれない。
女性用バイアグラと呼ばれているのは、『フリバンセリン(Flibanserin)』という薬で、2015年6月4日にFDA(米食品医薬品局:US Food and Drug Administration)の諮問委員会がFDAに対し、女性の性欲向上に役立つとして承認を促したのだ。
![shutterstock_161368652](http://nge.jp/wp-content/uploads/2015/06/shutterstock_161368652-690x460.jpg)
『フリバンセリン』の位置づけは、閉経前女性の性欲減退を回復させる薬というもので、治療が目的である。
![Sprout社サイトトップ](http://nge.jp/wp-content/uploads/2015/06/6cd67cca20d58d41d4827a52acf40485-690x392.jpg)
通常、FDAは諮問委員会の判断に従うことが多いため(とはいっても従う義務はない)、『フリバンセリン』が女性用バイアグラとして市販される可能性は高まっている。
『フリバンセリン』の効能と副作用
諮問委員会はFDAに『フリバンセリン』の承認を促したが、医師等がリスクを承知した上で治療が必要と判断した女性のみに処方すべきであるという管理対策も課している。
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というのも、『フリバンセリン』には失神、吐き気、目眩、眠気などの副作用がでることがあるからだ。
医師の中には、『フリバンセリン』の治療効果は小さすぎるため、さらに効果とリスクを検証すべきだと主張している者もいる。
![shutterstock_169729514](http://nge.jp/wp-content/uploads/2015/06/shutterstock_169729514-690x459.jpg)
一方で、実際に治験として『フリバンセリン』を服用した女性たちの証言では、その効果はかなり大きかったという。
ある女性は夫への性欲が減退し、結婚生活も危ぶまれていた状況が、『フリバンセリン』のおかげで改善したという。それはまるで、電気のスイッチを入れたかのような自分の変化だったという。
しかし専門家らによれば、『フリバンセリン』はプラシボ(偽薬)と比較して決定的な効果が見られないとも言う。
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FDAが公開しているところでは、『フリバンセリン』服用前の女性たちが、満足できた性的経験が1ヵ月に平均2.7回であったのが、服用後には4.4回にアップしている。 ところがプラシボ服用グループでも3.7回に向上しているため、気持ちの問題と言えなくもない。なんとも微妙な数字だ。
女性用バイアグラは承認されるか
男性用のバイアグラは、単純に男性器への血流を増大させる効果を持つのに対し、『フリバンセリン』は脳内化学物質であるドパミンやノルエピネフリン、セロトニンのバランスに働きかけることで、女性の性的欲求低下障害(HSDD)を治療しようとするものだ。
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『フリバンセリン』は2010年と2013年には効果がそれほどでもなく、副作用が認められるとしてFDAの承認を受けることができなかったという経緯がある。
ところが、今回は女性団体(製造元のSprout社などから資金提供を受けているのだ)のロビー活動によって、再申請が実現している。
また、女性団体の主張は、女性も性に関する平等な治療を受ける権利がある、というものだ。
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一方、NWHN(全米女性保健ネットワーク)は、FDAに対して『フリバンセリン』の承認を拒否するように要請している。
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同団体の主張は、『フリバンセリン』が承認されてこなかったのはFDAが性差別をしているからではなく、薬剤自体に問題があるからだ、としている。
さて、初の女性用バイアグラと呼ばれる『フリバンセリン』は、市販されることになるだろうか。