日本が生んだ土壁由来のイノベーション?現代の「カビ対策法」

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2015年07月04日 11:30  FUTURUS

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FUTURUS(フトゥールス)

雨が続いている。

7月1日の気象庁の発表では、鹿児島県枕崎では平年比300%の月降水量を記録するなど、九州地方は、1946年の観測以来、6月では最も多い降水量となった。

近畿・東海・関東甲信地方の平年の梅雨明けは7月21日。平年通りだとすると、あと2週間以上梅雨が続くことになる。

ちなみに、沖縄地方では6月11日に梅雨明けしたが、東北地方ではかなり梅雨入りが遅く、1951年以降最も遅い記録と並ぶ26日ごろの梅雨入りだった。

この時期気になるのはカビ

梅雨時期の心配事と言えば、湿度の上昇によって発生するカビのトラブル。近年では、カビを原因とした内蔵疾患なども問題となっている。

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カビは、空気中に漂う3〜6ミクロンのカビの胞子から生まれる。こまめに掃除や、換気をすることで、カビの発生を抑えられることは分かっており、特に、室内湿度を65%以下にすると、カビの発生は殆ど抑えられると言われている。

この湿度の調整をどう行うかが、カビ対策の基本となる。

 ゼロエネルギーでできる湿度対策

シンプルなのが、換気や、除湿剤となる。ただ、不在時は窓を開けっ放しにできないことが多く、除湿剤も押し入れなどでは効果を発揮するが、広い空間だと除湿作用が弱まる。

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こういったことから除湿機能付きのエアコンや、除湿機が活躍しているのだが、その湿度の対策において、日本が生んだイノベーションと言われているのが、LIXILが出している『エコカラット』だ。

壁自体を変えることで、ゼロエネルギーで調湿効果をもたらしてくれる。

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土壁をルーツに開発されたこの壁材は、表面を無数の孔が覆っており、そこに部屋の空気を取り入れると、湿度やニオイの元を孔の内部に残した上で、再び空気を放出するという。いわば、壁が呼吸して、除湿・消臭をしてくれるのだ。

この孔の表面は広げると東京ドーム11.5個分にもなり、その吸湿作用は、調湿壁紙の25倍以上、珪藻土の5倍以上と言われている。

壁の一部をこういった機能性壁材に変更することで、湿度を一定に保つように働き、カビが発生しにくくなる。

ちなみに珪藻土は、最近ではバスマットの素材としても扱われており、水分吸収力が非常に高い。お風呂上りで濡らしたマットが数分で乾ききってしまうという素材だ。その5倍以上というのだから吸湿力は相当なものであろう。

暮らしに変化を与えるアプローチ

これから2週間続く梅雨だけでなく、日本では年間を通した調湿が暮らしを快適にするために必要で、こういった調湿機能を持つ壁材は、まさに日本にこそ必要な発明と言える。

日々のエネルギー使用量を見直す上で、部屋の壁を“除湿してくれる壁”に変えるというアプローチも多湿な日本の環境では選択肢に入ってくるのではないだろうか。

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