光でカラープリントが可能に!超極小画像を用いた技術が開発

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2015年07月07日 20:30  FUTURUS

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FUTURUS(フトゥールス)

インクジェットプリンターやレーザープリンターを必要としないカラープリントが実現した、という驚きのニュースが飛びこんできた。つい先日、ミズーリ工科大学の研究チームが『ナノマテリアル』を用いた、インクを使わないカラープリント技術を発表した。『ナノマテリアル』はナノメートル (10億分の1メートル)よりも小さい物質で、観察には高性能の電子顕微鏡が必要になるという。いったい、どのようなプリント技術なのだろうか。

ミズーリ工科大学が公開した「ノーインク・プリント技術」

自然科学全般を対象にする学術専門誌『Scientific Reports誌』に掲載された論文で、研究チームは『ノーインク・プリント技術』を公開。彼らは大学のスポーツロゴをナノメートル・スケールの表面に再現することで技術を説明している。

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「プラズモンという量子の表面を利用するメタマテリアルに基づいたカラープリント」というこのメソッド。メタマテリアルとは、光を含む電磁波に対して、自然界では見られない振る舞いをする人工物質のことで、このナノメートル・スケールの金属絶縁体を含む“サンドイッチ構造”と白色光の相互作用によって「シンプルで効率的な、構造的カラープリント・プラットフォーム」を実現することに成功した。

素材と光の相互作用でインクを用いずにロゴが再現

今回の技術のカギとなる“サンドイッチ構造”をより詳細に見ると、スペーサーで隔てられた2枚の薄い銀のフィルムで構成されていることがみてとれる。上層レイヤーにある25ナノメートルのフィルムは、集束イオンビームとして知られる微細加工によって極めて小さい穴が開けられている。下層レイヤーは4倍ほど厚い100ナノメートルの銀のフィルムだ。両者の間には絶縁体として45ナノメートルのシリカが挟まっている。

実験では、縮小したロゴを上層レイヤーのメタマテリアル構造に穿孔。電子顕微鏡で観察すると、ロゴは針先が集合したパターンのように見えるという。この穴に向けて光を発することで、素材と光の相互のはたらきによって、インクを用いずにロゴが再現できるというわけだ。なお、上層レイヤーの穴の大きさを調整することによって、望んだ周波数を照射でき、異なる色の反射光を作りだすこともできるようだ。

shutterstock_99449798 研究チームによると、この技術は将来的に応用することが期待されるという。ナノスケールのビジュアル・アーツのほか、セキュリティマーク、情報ストレージといった様々な用途が考えられている。

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