糖分が脳にイイはウソ?最近の研究で砂糖や脂が多い食事は「頭の働き」を鈍くさせていたと判明

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2015年07月19日 19:10  FUTURUS

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FUTURUS(フトゥールス)

クロスワードパズルや数独、あるいはゴールデンタイムのテレビを賑わせるクイズ番組……。こうした頭を使うジャンルの趣味を持っている人は、ぜひとも注意してほしい。油で揚げたポテトフライや、砂糖がたっぷり使われている甘いお菓子は、実はあなたの頭のキレを鈍くしているかもしれないのだ。

ここ数年で、私たちの腸内細菌が脳と関係することが少しずつ明らかになってきている。つい先日発表された研究によると、脂質や糖質の多い食事は腸内細菌の変化をもたらすといい、このことは「認知的柔軟性」や状況変化への適応・調整力の低下に関連するとみられている。

脂質や糖質が多い食事は脳の「認知的柔軟性」に悪影響

神経系の専門誌『Neuroscience』に掲載された論文で、オレゴン州立大学の研究者は、脂質や糖質が多い食事は脳の「認知的柔軟性」と呼ばれる力に対して有害な効果を持つことを示している。

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研究チームはマウスを使い、身体的・精神的機能の変化や関連するバクテリアへの影響をチェック。方法としては、2つのグループに分けたマウスに異なる食事を与え、水迷路試験をはじめ様々なテストを行ったという。Kathy Magnusson教授によると、人間の加齢、空間的記憶、肥満といったトピックの研究では、マウスは人間の良いモデルになるということだ。

健康なバクテリアのシステムを変化させるのが原因

研究では、4週間にわたり脂質・糖質の多い食事を与えたマウスは、各種のテストでパフォーマンスを落とし始めた。このうち、とくに著しい変化が見られたのが、研究者が「認知的柔軟性」と呼ぶ能力だ。

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「認知的柔軟性」は、変化への対応力のようなものと言い変えることができる。例えば、車で家まで帰るためのルートがなんらかの理由で通行できなような場合に、すぐに別の最も最適なルートを決められるような人は、この能力に優れていると考えることができる。

Magnusson氏は、体内の細菌が作りだす化合物が、神経伝達物質として働き、あるいは感覚神経や免疫システムを刺激し、また生物学的機能に幅広い影響を与えると説明。今回の結果は、脂や糖類を多く含む食事が健康な働きを持つバクテリアのシステムを変化させてしまう可能性を示している。そうした食事は健康や脳に影響を与えるというだけでなく、食事と細菌の相互作用を変化させてしまうのだ。

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大好きな揚げ物や甘い物をすぐにはやめられない、という人も多いはず。とはいえ、さらなる研究が進み、その結果を知ってから後悔しないためにも、少しずつ食事のバランスに気を遣ってみてはどうだろうか。

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