フライにするとベーコンの味?米で特許を取得した新しい海藻

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2015年07月20日 20:20  FUTURUS

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FUTURUS(フトゥールス)

昆布をはじめ日本では馴染みのある食べ物の海藻。海外では北ヨーロッパなど一部の地域をのぞき、粉末にして利用することが多いという。そんななかアメリカでは、これまでの消費スタイルを変えてしまうかもしれない、新たな海藻に注目が集まっている。

オレゴン州立大学の研究者は、このほど「ダルス(dulse)」と呼ばれる紅海藻の、新たな株の特許を取得。このダルスは、非常に成長が早く、たんぱく質を豊富に含み、さらにもうひとつ際立つ特徴を備えている。なんでも、この海藻は「ベーコンのような味」がするというのだ。果たして本当なのだろうか。

ミネラルやビタミン、タンパク質を豊富に含む

ダルスは太平洋や大西洋の海岸線で育つ藻類で、収穫後は乾燥させ、主に料理の原料や栄養補助サプリメントとして使われている。15年にわたりこの海藻を育ててきた、Chris Langdon氏と同大学の海洋環境を研究する機関”OSU’s Hatfield Marine Science Center”の同僚たちは、あるとき新たな株を作りだし、そして特許を取得したそうだ。半透明でレッドレタスにも似たこの新株は、ミネラルやビタミン、抗酸化物質を含み、乾燥重量の16%がタンパク質と栄養満点。

Langdon氏はカキを養殖するプログラムのリーダーでもあり、このグループの施設で2つの巨大なタンクを利用することができるという。現在、彼は週に20〜30ポンドのダルスを収穫可能だが、今後は100ポンドまで引き上げることを検討している。手に入れたダルスは製品化や料理のレシピのための研究に使われるようだ。

フライにするとベーコン味に?

Langdon氏の元々の目的は、アワビなどに貝類に与える、栄養をたっぷりと含んだダルスを育てることだった。この認識に変化をもたらしたのは、以前に彼とともに働いていたChuck Toombs氏の訪問だ。同氏はオフィスの外側にあるコンテナで育てられているダルスを目にし、ケールの2倍の栄養素を持つ“スーパーフード”ダルスは「オレゴンの新たな産業になりうるポテンシャルを持っている」とひらめいたということだ。その後、Toombs氏はオレゴン州立大の食品研究施設で働くことになり、研究・開発がさらに前進することになった。

Langdon氏によると、アメリカでダルスを食べ物として消費するために育てる商業利用は存在しないとのこと。北欧やアイルランドなど北ヨーロッパでは食べる習慣があるが、アメリカでは別種のものが粉末で使われるだけだという。

ダルスが「フレッシュな状態で使うことにはあまり関心が払われてこなかった」と指摘したLangdon氏。続けて、この海藻の持つ可能性について次のように力を込めている。

この材料には本当に驚かされるよ。私がやったように、これをフライにすると、海藻ではなくベーコンの味がするんだ。本当にしっかりとしたベーコンのフレーバーなんだよ。

理論的にはオレゴンの海岸線の近くであれば、簡単に育てられることができるといい、現在、学生たちを中心としてマーケットでに送りだすことも準備しているという。日本でも口にすることができる日を楽しみに待ちたいところだ。

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