コストは競合の1/5以下? 離陸場所不要の人工衛星打ち上げ機「ランチャーワン」

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2015年08月10日 19:50  FUTURUS

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FUTURUS(フトゥールス)

宇宙開発が盛んである。宇宙ステーションに人工衛星、衛星軌道に物資を届けるのには地球上からロケットに頼っているのが現実だ。しかしアポロ計画がそうであったように、いまもその輸送コストが大きな足枷となっている。ロケット打ち上げには莫大なコストが必要だからだ。

このコストを激減させることができれば……。そんな試みがバージン・ギャラクティックの『LancherOne』 だ。

飛行機からの衛星打ち上げ

構造は比較的シンプルだ。バージンが宇宙旅行用に開発していた『SpaceShipTwo』のカーゴジェットとなる『WhiteKnightTwo』を母艦とし、旅客ではなく衛星を搭載したロケットを射出して衛星軌道にのせようというアイディアだ。

カーゴジェットで5万フィート(約15km)まで上昇したのちロケットを切り離し、2段ロケットを使ってさらに300マイル(約482km)上昇させて衛星を低軌道に投入する。

劇的に変化する打ち上げコスト

ロケット発射場が不要、カーゴジェットへ搭載して飛び立つことなどから、通常のロケットを使用した場合約60億円から70億円かかるのに対し、この『LancherOne』は約12億円と 1/5に激減させることが可能だ。

開発は、民間宇宙旅行を提供する『SpaceShipTwo』と平行して行われ、今後地上での実験を行った後、来年には試験打ち上げを行う予定だ。

世界中をインターネットで結ぶ OneWeb

このプロジェクトはすでにカスタマーがついている。それが OneWeb、世界を衛星インターネットでカバーしようというものだ。

スマートフォンの急速な普及、特に後進国ではPCの普及よりも先にスマホが普及、通信インフラの整備が急務となっている。しかし人口カバー率では計れないほど広い範囲をカバーするには通常のアンテナではなく、衛星からカバーした方が効率がよい。そのため、OneWebでは『LancherOne』を使って39回の打ち上げを行う契約を6月に結んだ。1回の打ち上げで最低で1個以上の衛星を搭載するという。

これが実現できれば、リーズナブルな価格で衛星インターネット網が整備されることになるだろう。今後に期待したい。

【参考・画像】

※ http://oneweb.world/

※ Richard Branson’s LauncherOne Prepares for Liftoff

※ VirginGALACTIC

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