第3回:いか文庫 店主(後編)

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2015年08月23日 18:51  BOOK STAND

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エア書店にはエア感が必要です。
―店主:活動の一部に「お店番」という企画があって、フェアを開催している書店さんの売場に立ってお客様に声をかけたりしています。お店の一部を借りているので、きちんと売り上げをあげていかないと迷惑をかけることになります。そのため集客の工夫は常にしています。渋谷SPBSから下北沢までの古本屋さんを繋いだスタンプラリーを企画したこともあります。

―いか文庫をリアル店舗にしたいと思ったことはないですか。

店主:それはないですね。
バイトちゃん:エア感がなくなっちゃうしね。
店主さん:そうそう。エア本屋と言えなくなっちゃう。

糸井重里さんからの教え。

―糸井重里さんにもお会いしたと聞きました。
店主:活動を開始した頃にバイトちゃんがメールしてみたら「一度会いにおいでよ。」と返信いただいたので、ビックリして。おじゃましてきました。
「いか文庫の楽しさを継続させるためにもお金は大事だから、きちんと稼いで行くということをちゃんと考えていますか?」
とアドバイスされたのですが。その頃はあまり考えていなかったのでとてもショックを受けました。そこでちょっと目が覚めて銀行口座も作り、きちんとやっていこうと決めました。いまだに銀行で「いか文庫様〜。」と呼ばれるのは恥ずかしいのですが(笑)。

―ふたりとも本業の仕事をしながら、いか文庫の活動を継続していくのは大変ではないですか。

店主:大変ですけど、SPBSで売れる本といか文庫で売れる本は若干違ったりしますし、飽きることはないですね。今後はお互い地元の本屋さんでやってみたいですね。私の地元山形には八文字屋さんという老舗の本屋があって、いつかいか文庫のフェアをやれたらいいなと思っています。

本と音で本音。「本音のフェス」とは。

―「本音のフェス」について聞かせてください。本と音楽を融合したライブ、というのは面白いアイディアですよね。
店主:これもバイトちゃんがキッカケを作ってくれました(笑)。
J-WAVEがクラウドファンディングの企画募集をしていたのを彼女が発見して、前からそんなフェスをやってみたいと話していた内容を自主的にまとめてメールで応募したら、担当の方から会いましょうということになり。

―バイトちゃん、凄いですね。活動的ですね。
店主:彼女は事後報告が得意なんです。いつも(笑)。
J-WAVEさんにアドバイスや人を紹介していただいたりしながら、会場抑えからアーティストへのオファーもほぼ全部自分たちでやって、何度も心が折れそうになりながら、なんとかギリギリ間に合わせることができました。
渋谷のWWWというライブハウスで開催したのですが、「ごめんなさい。本と素人なんですが、教えてください。機材は何がいるのですか?」と教えてもらったり、アーティスト側から機材リストとかもらっても全然意味がわからなくって、足りなくて前日にあたふたしたり。いろいろありました。またやりたいとは思っているのですが、次はもっとしっかりとと思っているので、周囲の仲間とも相談しながら検討中です。

淡々と新しいこと、面白いことを着実に実現させているおふたり。和やかな雰囲気なのに、実はとてもしっかりとした行動派。これからの活動も楽しみです。

(プロフィール)
いか文庫

お店も無いし、商品も無いけど、毎日どこかで開店している「エア本屋」。
どこで?どんな風に?どうやったら?本を(たまにイカも)楽しく売ったり
買ったり知ったり味わったりできるのかを日々考え動き回っています。
そんな本屋もいいじゃな<コ:彡?
http://www.ikabunko.com/



『ヤング・アダルトU.S.A. (ポップカルチャーが描く「アメリカの思春期」)』
著者:山崎 まどか,長谷川 町蔵
出版社:DU BOOKS
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