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歴史上の人物や著名人の墓にお参りをする「墓マイラー」が注目を集めている。ツイッター上でも「芥川龍之介さまのお墓に墓マイラーしてまいりました」「今日はこのまま墓参りに行く」など、墓マイラーたちが活発に活動する様子が投稿されている。
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ただ、霊園には一般人の墓もあるため、一部の墓マイラーの行動を快く思わない人もいるようだ。ネット上には「写メを撮ったり、他人の墓の敷地内に入ったり常識が無さ過ぎる。墓参りを観光スポットと勘違いしてもらっては困る」と苦言を呈する声もある。
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霊園に入って、自分の親族や知人ではない人のお墓にお参りすることは、法的に問題ないのだろうか。また、墓マイラーが勝手にお供え物を置いていく、お墓にあるものを持って帰る、墓前で騒ぐといった行為に及んだ場合はどうか。井上明彦弁護士に聞いた。
「お墓にあるものを持って帰ることは窃盗罪(刑法235条)、墓前で騒ぐことは、不敬な態様であれば礼拝所不敬罪(刑法188条)にあたる可能性があります」
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井上弁護士はこのように述べる。では、お墓参りをすること自体についてはどうだろうか。
「霊園に行って他人のお墓にお墓参りをすることや、お供え物をすること、写真を撮ることは、法的には禁止されていません。
お墓参りをする人たちがそれぞれに、故人やご遺族、周りのお墓の関係者の気持ちを思いやった常識的な行動ができていれば、他人のお墓参りをすることは問題ないでしょう」
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では、墓マイラーたちがお墓参りすることは、まったく問題ないということだろうか。
「法的な問題にはならなくても、お墓参りは観光ではなく、あくまで故人を偲ぶものです。ご遺族やお墓の管理者、周りのお墓の関係者の迷惑にならないように、お墓参りのマナーを守るべきでしょう」
どんな点に注意すべきだろうか。
「お墓参りの前に、そのお墓が一般公開されているものなのかどうかを確認しましょう。そのお墓のあるお寺が関係者以外の立ち入りを禁止しているのであれば、無許可での立ち入り行為が、住居・建造物侵入罪に該当する可能性も否定はできません(お寺の建物だけでなく、塀等で囲まれている部分も『住居』や『建造物』の一部にあたります)
また、お供え物をそのまま放置すると、仏花が枯れたり、食べ物がカラスや野良猫に荒らされたりして管理者に迷惑をかけてしまいます。
通常のお墓参りと同様に、お供え物は持ち帰りましょう。また、写真を撮る場合にも、ご遺族の気持ちに配慮したり、周りのお墓や人が映りこまないようにしたりすることが大切です。
このように、お墓参りをする人たちが、周りに配慮した振る舞いができている限り、他人のお墓参りをすることは法的な問題とはならないでしょう」
井上弁護士はこのように指摘していた。
(弁護士ドットコムニュース)
【取材協力弁護士】
井上 明彦(いのうえ・あきひこ)弁護士
広島市出身。広島大学を卒業して、2002年に弁護士登録(55期)。お墓の問題については、以前に墓地の経営トラブルに関する案件の依頼を受けたことがきっかけで、興味を持っている。
事務所名:広島法律事務所
事務所URL:http://hiroshima-law.jp/index.html
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