新鋭・鶴岡慧子が描く森と再生の物語『過ぐる日のやまねこ』

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2015年09月09日 18:30  CINRA.NET

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『過ぐる日のやまねこ』
映画『過ぐる日のやまねこ』が、9月19日から東京・渋谷のユーロスペースほか全国で順次公開される。

同作は、映画『サマーウォーズ』や大河ドラマ『真田丸』の舞台である長野・上田で撮影された作品。13年前に父と死別した21歳の枝波時子と、兄のように慕っていた人物・和茂の死体が森の中で発見されたことで心を閉ざしがちになった高校2年生の加野陽平の2人を中心に、大切な人を失った人間の再生を描くストーリーだ。

東京のガールズバーをクビになり、幼少期を過ごした長野へ深夜バスで向かう時子を演じるのは、青山真治監督『共喰い』でヒロインを演じた木下美咲。かつて和茂と共に訪れた森の中の小屋で絵を描いている陽平役で泉澤祐希が出演する。また、植木祥平、田中隆三、中川真桜、田中要次、柳憂怜らがキャストに名を連ねている。

監督を務めるのは、初長編映画『くじらのまち』で『PFFアワード2012』グランプリを受賞した鶴岡慧子。1988年に同作の舞台となった上田市に生まれた鶴岡監督は、東京藝術大学大学院で黒沢清監督に師事し、2014年3月に同院を卒業するまでに長編映画『はつ恋』『あの電燈』の2作品を発表している。第23回PFFスカラシップ作品となる『過ぐる日のやまねこ』のメインスタッフの大部分は、鶴岡監督の同級生で構成されているという。

なお同作は、大正6年に創業し2011年に定期上映を廃業した長野・上田映劇でも上映され、収益は同館の修繕費用として活用される。上田映劇では、8月よりクラウドファンディングを実施しており、リニューアルオープンに向けての費用を募集中だ。詳しくはオフィシャルサイトをチェックしよう。

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