18年前に、「21世紀に間に合いました。」のキャッチコピーで、トヨタ自動車から世界初の量産ハイブリッドカー『プリウス』が誕生して以来、これまで日本をはじめ、北米を中心に世界約80の国・地域で販売され、今年の7月末時点で累計販売台数が350万台を突破。
そして先日、『新型プリウス』がラスベガスでワールドプレミア。早速その魅力に迫ってみたい。
『初代プリウス』は、トヨタの米デザイン部門『CALTY』が意匠を担当するなど、米国市場を強く意識したモデルだった。
最新技術を満載しながらも、奇をてらわない通常のガソリンエンジン車然とした、“エクステリアデザイン”を採用。高い全高と5ナンバーサイズ枠いっぱいの全幅により、広々した室内空間を持った、扱い易い4ドアセダンとなっていた。
『4代目プリウス』はよりエモーショナルな外観に
2代目以降は5ドアハッチバックスタイルとなり、今回の『4代目プリウス』では、流麗なフォルムを纏った、スポーティなモデルに変化を遂げている。
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しかし、よく観察してみると、初代の発想を取り入れた部位も見受けられる。
例えば、アルミホイールの上から空気抵抗低減のための“樹脂製ホイールカバー”(ホイールの白い部分)を被せるという手法や、リヤフェンダーに特徴的なレリーフを設けるなどの類似性が見られる。
車両サイズは、4,540×1,760×1,470mm(全長×全幅×全高)と、『初代プリウス』比で265mm長く、65mm広く、20mm低くなっているが、キャビン空間確保のため、全高については大きく変化していないことが判る。
また、現行の『3代目プリウス』との比較では、トライアングル・シルエットを継承しつつ、ルーフの頂点が前出しされており、エンジンフードを低く抑えることで、よりエモーショナルなデザインとなっている。
リヤ廻りでは、個性的なデザインのLED式テールランプを採用、夜間でもすぐに同車と判別できそうだ。
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インテリアでは、インパネの両サイドからドアトリム(内張り)にかけてスロープを設定、ベルトライン(窓枠下線)と交差させるなどの斬新なアイデアを取り入れている。
ハイブリッドシステムは、THS(Toyota Hybrid System)IIIに進化、熱効率を40%以上に高めたエンジン、トランスアクスル、モーター、電池といった各ユニットをよりコンパクトに、そして軽量化することで優れた低燃費を実現している。
トヨタはまだ正式にスペックを公開していないが、廉価グレードでは、JC08モードで40.0km/Lの燃費を実現しているようで、その他のグレードでも『アクア』並みの、37.0km/Lを達成している模様。
トヨタ初の「TNGA」採用で走りの質を向上
駆動用バッテリーは、上級グレードに高効率リチウムイオンバッテリーを採用しているとみられる。
トヨタ初となる『TNGA』の適用により、ボディを高剛性化、パワートレーンユニットの低重心・低配置化などにより、操縦安定性・乗り心地を向上させている。
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リヤサスペンションを、“トーションビーム式”から“ダブル・ウイッシュボーン式”にグレードアップするなど、走る楽しさをより高レベルで実現していると言う。
安全装備では、最新の衝突回避支援パッケージ『Toyota Safety Sense P』を搭載。
ミリ波レーダーと単眼カメラを用いた、“歩行者検知機能付衝突回避支援型プリクラッシュセーフティ”をはじめ、4つの先進安全機能を装備。
「プリウス」初の4WD仕様も設定か?
『4代目プリウス』の正式発表・発売は12月9日になる可能性が濃厚で、車両価格は240万円〜340万円のレンジに収められている模様。
4WD仕様車も初めて同シリーズに設定されるようなので、こちらも大いに注目を集めそうだ。
日本で実車が見れるのは10月末から開催される、『東京モーターショー2015』が最初となる。
【参考・画像】
※ TOYOTA、米国ラスベガスで新型プリウスを初披露 – TOYOTA Global Newsroom
※ トヨタ自動車、プリウスの累計販売台数が300万台を突破 – TOYOTA Global Newsroom
【動画】
※ トヨタ 新型 プリウス(北米仕様)走行シーン – YouTube