大学の運動部OBの「後輩いびり」で精神的ダメージ・・・慰謝料を請求できるか?

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2015年09月20日 12:01  弁護士ドットコム

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「お前には任せられない」「失格だ」。首都圏の大学の運動部に所属するMさんは、あるOBの「後輩いびり」に悩んでいる。練習に訪れるOBは、Mさんの細かいミスを見つけて、厳しい言葉をあびせかけてくるそうだ。


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周りの部員は「職場のうっぷんを晴らしているとしか思えない」と感じている。Mさんは、ことあるごとに文句をいわれ、今では「精神的にまいっている」そうだ。こんな場合、OBに対して慰謝料を求めることはできるだろうか。大久保誠弁護士に聞いた。



●実際に裁判を起こすのは、ハードルが高いが・・・


「今回のケースでは、OBからの『いびり』で『精神的にまいっている』とあります。



もし、『いびり』によって、精神科などの医師の治療を受けざるをえなくなる程度に『まいっている』のであれば、慰謝料を求めることは可能です。



しかし、そうでないのであれば、慰謝料請求が認められるだけの『精神的苦痛』に至っていないと、裁判所に判断される可能性が高いでしょう」



慰謝料を認めてもらうには、医者の診断書があればよいのだろうか。



「慰謝料請求をするためには、OBによる『いびり』の具体的内容も証明できなくてはなりません。



そのためには、他の選手やOBたちの協力が必要となりますが、Mさんはその協力を得られるのでしょうか。なかなか難しいのではないでしょうか。実際に裁判を起こすとなると、かなりハードルが高いと思います」



Mさんは泣き寝入りするしかないということだろうか。



「まずは、監督や部長、主将に相談するべきです。OBの言動に行き過ぎがあるのならば、彼らからOBに直接注意してもらうのがよいでしょう」



では、OBが部活に参加するのをやめさせることは可能だろうか。



「部活への参加をやめさせる法的手段も、結局のところ、申し立てることができるのは大学であって、Mさんではないと思います。やはり、監督や部長、主将に対応してもらうことが先決だと思います」



大久保弁護士はこのようにアドバイスしていた。


(弁護士ドットコムニュース)



【取材協力弁護士】
大久保 誠(おおくぼ・まこと)弁護士
ホームページのトップページに写真を掲載しているように、野球が趣味です。
事務所名:大久保法律事務所
事務所URL:http://www.ookubolaw.com/


このニュースに関するつぶやき

  • 『俺は試合の勝ち方を知っている』とか言いながら高校生にボロクソにやられるコーチも解任させたいよな。
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