パワハラ&セクハラに負けたくない! 裁判で勝てる「証拠」の残し方

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2015年10月21日 06:11  弁護士ドットコム

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(弁護士ドットコムの法律相談コーナー「みんなの法律相談」に寄せられた相談をもとに編集部が作成しました)


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職場でパワハラ、セクハラを受けても、どう対応すれば良いかわからないものです。岩城 穣弁護士に、どのような証拠を残せば良いのか、具体的な方法を聞きました。


 

Q. どんなメモを残せば良いのですか?


勤務先の上司から、パワハラ&セクハラを受けています。


この上司は、職場で「お前、バカだな」「いつでも(別部署に)飛ばしてやるよ」などと、非常にきつくあたってくるんです。


そのくせ、会社の飲み会では、酔いに任せて身体を触ってきたり、キスされそうになったこともありました。


こんな上司に制裁を加えてやりたいです。まずは会社の人事部に話をするつもりですが、あまり期待できそうにありません。そこで、裁判を起こすことも考えています。


いつ、何を言われるのかもわからないので、録音を撮り続けるのは難しそうです。


代わりにメモをとって記録を残しておくつもりなのですが、どのような内容が裁判で勝てる「証拠」になるのでしょうか。


A.  「具体的」「詳細」に書くべし


メモには次のような特性があるため、録音よりも信頼性が低いとみなされがちです。


(1)実際の言葉や行動よりも、おおまかで抽象的な記述になりがち。 (2)あえて事実と異なる内容も書くことができる。 (3)発言・行動からメモまでに時間が空くほど、記憶があいまいになる


そこで、裁判の証拠として信頼されるメモを作るコツをお伝えしたいと思います。


(1)の「抽象的」と言われないように、とにかく細かい所を具体的に、かつ、詳しく書くことが大切です。「○○のことでひどいことを言われた』というメモでは」証拠としては不十分です。できるだけ具体的な言葉を思い出して、やり取りを再現しておくことが必要です。


また、実際に言われたこと・やられたことを具体的に詳しく書くのは、(2)『事実と異なる』と反論されることへの対策にもなります。できる限り思い出して詳細に書けば書くほど、迫真性、説得力が増すことになります。


(3)「記憶があいまいになる」という点については、被害を受けた直後に書くことに尽きます。言われた言葉や加害者の表情、周囲の状況、自分の精神的苦痛など、まだ詳しい印象が強烈に残っている段階で書くことによって、真実に迫るメモになりますから。


何か起きたら、すぐに手書きで内容をメモして、それをスマホやデジカメで撮影し、自分宛にメールを送っておけば、その日付のデジタルデータから、メモを直後に作成したことを示すことができ、よりいっそう証拠能力が高まるでしょう。




【取材協力弁護士】
岩城 穣(いわき・ゆたか)弁護士
1988年弁護士登録、大阪弁護士会所属。過労死問題をはじめ、労働、市民事件など幅広く活躍する「護民派弁護士」。
事務所名:あべの総合法律事務所
事務所URL:http://www.abenolaw.jp/


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