深津絵里&中村七之助が初共演、英演出家×近松の現代劇

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2015年10月26日 09:30  CINRA.NET

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左から深津絵里、中村七之助
舞台『ETERNAL CHIKAMATSU 近松門左衛門「心中天網島」より』が、2016年2月29日から大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ、3月10日から東京・渋谷のBunkamuraシアターコクーンで上演される。

同公演は、遊女の紀伊国屋小春、紙屋の治兵衛と妻・おさんによる三角関係を描いた近松門左衛門の人形浄瑠璃『心中天網島』をもとにした作品。演出はロンドンやブロードウェイ、東京など世界各地で活動し、『トニー賞』を受賞しているイギリスの演出家デヴィッド・ルヴォーが手掛ける。脚本は谷賢一がルヴォーのアイデアに基づいて書き下ろす。

主演を務めるのは、初共演となる深津絵里と中村七之助。さらに伊藤歩、音尾琢真(TEAM NACS)、中嶋しゅう、中島歩らがキャストに名を連ねている。チケット一般販売は12月12日からスタート。

■深津絵里のコメント
七之助さんとご一緒できて大変光栄です。この不思議なご縁を大事にしたいです。
また、お稽古から贅沢な時間となりそうで、いまからとても楽しみです。

■中村七之助のコメント
深津さんはすてきな方ですばらしい大先輩。
僕は現代劇で女性の方とのお芝居も初めてなので、新人のつもりで取り組みたいです。
そして、有言実行の人だった父(勘三郎)の夢が、このような形で実現し、この上なくうれしいです。
きっと父も喜んでくれていると思います。

■デヴィッド・ルヴォーのコメント
現代の日本で、イプセンやチェーホフといった19世紀ヨーロッパの作品を上演するとは、どういうことなのか。'88年の初来日以来、古典と現代との関係は、私の中で最大級のテーマとして、存在し続けています。特に日本にいるとこの問題をヴィヴィッドに感じるのは、三島由紀夫に出会ったことと、歌舞伎という、歴史を背負った伝統演劇を観たことが、大きく影響している気がします。
三島は、1945年、時代のひとつの扉が激しい音をたてて閉まった後も、扉の向こうの過去の声を聞くことができた人。それを現代の私たちにどう伝えるかを作品にした作家で、つねに、過去と分断されたことへの怒りを抱えていました。一方、私が日本で出会い、友人となった中村勘三郎さんは、歌舞伎の魅力を現代人に伝えるための情熱と、果敢に挑戦を続ける行動力に溢れた、敬愛すべき歌舞伎俳優。私たちは、一緒に歌舞伎に取り組む約束をし、近松の世界を取り上げることで、話を進めていました。
今回の作品は、そのプロジェクトの延長線上にあるものです。私が三島にいつも突きつけられてきた「過去の声を今どう聞くか」というテーマを、勘三郎さんのアイディアとエネルギーに支えられ、深津絵里さんと中村七之助さんに託すことで、より明確化するときが訪れたのだと思っています。
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