同公演は、遊女の紀伊国屋小春、紙屋の治兵衛と妻・おさんによる三角関係を描いた近松門左衛門の人形浄瑠璃『心中天網島』をもとにした作品。演出はロンドンやブロードウェイ、東京など世界各地で活動し、『トニー賞』を受賞しているイギリスの演出家デヴィッド・ルヴォーが手掛ける。脚本は谷賢一がルヴォーのアイデアに基づいて書き下ろす。
主演を務めるのは、初共演となる深津絵里と中村七之助。さらに伊藤歩、音尾琢真(TEAM NACS)、中嶋しゅう、中島歩らがキャストに名を連ねている。チケット一般販売は12月12日からスタート。
■深津絵里のコメント
七之助さんとご一緒できて大変光栄です。この不思議なご縁を大事にしたいです。
また、お稽古から贅沢な時間となりそうで、いまからとても楽しみです。
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深津さんはすてきな方ですばらしい大先輩。
僕は現代劇で女性の方とのお芝居も初めてなので、新人のつもりで取り組みたいです。
そして、有言実行の人だった父(勘三郎)の夢が、このような形で実現し、この上なくうれしいです。
きっと父も喜んでくれていると思います。
■デヴィッド・ルヴォーのコメント
現代の日本で、イプセンやチェーホフといった19世紀ヨーロッパの作品を上演するとは、どういうことなのか。'88年の初来日以来、古典と現代との関係は、私の中で最大級のテーマとして、存在し続けています。特に日本にいるとこの問題をヴィヴィッドに感じるのは、三島由紀夫に出会ったことと、歌舞伎という、歴史を背負った伝統演劇を観たことが、大きく影響している気がします。
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今回の作品は、そのプロジェクトの延長線上にあるものです。私が三島にいつも突きつけられてきた「過去の声を今どう聞くか」というテーマを、勘三郎さんのアイディアとエネルギーに支えられ、深津絵里さんと中村七之助さんに託すことで、より明確化するときが訪れたのだと思っています。