元料理人のタクシー運転手が教える、京都の本当にウマい店は?

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2015年11月18日 07:41  BOOK STAND

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『おいしい京都 (京都しあわせ倶楽部)』岩間 孝志 PHP研究所
旅行の醍醐味のひとつである"食"。せっかくの旅行、旅先ではその土地ならではの美味しい食が味わえる飲食店を訪れたいものです。そして、そんな穴場的存在を知りたいと思ったとき、乗車したタクシーの運転手さんに尋ねた経験のある方も多いのではないでしょうか。

 現在はタクシーの運転手、かつては料理人としてフランスで修行したという経歴を持つ岩間孝志さんが、タクシー運転手の目線から、そして料理人の目線から、京都にあるフランス料理や和食の名店、各国料理の名店、京都人の普段使いの名店、さらには帰りの列車で味わいたい京都を感じるお弁当までをも紹介していく、本書『グルメタクシーが案内する おいしい京都』。

 岩間さんは、これまでにおよそ2100軒の飲食店を自ら訪ね、そのなかから精鋭した800軒からなるリストを常に持ち歩いているそう。果たして、そんな岩間さんオススメの京都の飲食店とはどのようなところなのでしょうか。

 たとえば、寺社仏閣や名所旧跡を訪ね歩く道中、ちょっと一息つきたいときにオススメのお店として紹介されるのは、江戸時代にあった茶屋が復活したという、下鴨神社の境内の糺の森にある"さるや"。

 この"さるや"では、下鴨神社に由来したお菓子や飲み物を楽しむことができるのだといいます。名物は"葵祭の申餅"。小豆のゆで汁をお餅に加え"はねず色"にすることで、命が生まれるとされる明け方の空の色を表現しているとのこと。また、申餅と一緒に楽しみたい"まめ豆茶"は、神社の行事で好んで飲まれていた、無病息災になるというお茶。丹波産の黒豆を煎ったものに熱湯をかけたもので、透き通ったワイン色をしているそう。

 このように、歴史と信仰に深く関係するお菓子や飲み物を味わうのは、京都を感じるうえで重要な要素なのではないかと岩間さんはいいます。

 同時に"さるや"は、糺の森という豊かな緑に囲まれた場所にあるため、四季の移り変わりをも敏感に感じることができるのだと綴ります。

「冬は屋内ですが、それ以外の季節は開放的に扉を全開にされ、森の中にも席が設けてあります。新緑、初夏、紅葉、雪景色など、私はほぼ毎月こちらにお客様をご案内し、座ってお菓子を頂きながら森やその隙間からのぞく太陽の光を見ると、京都の風景が変化するタイミングに遭遇することがあります」(本書より)

 京の街を隅々まで知り尽くす、タクシー運転手が教える名店の数々。京都旅行の際、飲食店に迷ったならば、岩間さんオススメの一軒を訪れてみてはいかがでしょうか。



『おいしい京都 (京都しあわせ倶楽部)』
著者:岩間 孝志
出版社:PHP研究所
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