再婚禁止期間と夫婦別姓を認めない民法の規定の合憲性について、最高裁大法廷の判断が12月16日に迫るなか、有識者で構成される日本学術会議は12月4日、東京都内で記者会見を開き、これまでに発表してきた提言に基づき、再婚禁止機関の廃止と選択的夫婦別姓を認めるよう改めて主張した。
【関連記事:18歳男子と16歳女子 「高校生カップル」の性交渉は「条例違反」になる?】
日本学術会議は、ジェンダー法分科会などがまとめた提言を通して、再婚禁止期間の廃止や、選択的な夫婦別姓を認める制度に変えるべきと主張していた。昨年6月に発表した提言「男女共同参画社会の形成に向けた民法改正」では、次の3点を主張している。
|
|
(1)女性が16歳、男性が18歳となっている結婚できる年齢を、ともに18歳にする。
(2)離婚したり結婚の取り消しをした後、女性だけが6ヶ月間再婚を禁止する期間があるが、これを短縮または廃止する。
|
|
(3)結婚した際、夫婦どちらかの姓を名乗らなけれならないという仕組みを、同じ姓を名乗るか、別の姓を名乗るかを選べる仕組みに変える。
会議のメンバーである上野千鶴子・東大名誉教授は記者会見で、最高裁大法廷の判決について、「提言の考え方を前提とすれば、違憲判断しかないと確信している」と強調した。
さらに、「行政府と立法府は明らかに対応が遅れている。『立法不作為』といっていい状態が、長年続いている。立法府は、司法の良識、学術コミュニティの合意、そして民意を正しく反映してほしい」と語った。
|
|
立命館大学法学部の二宮周平教授は、提言で主張している3点は、政府の法制審議会が1996年にまとめた「民法の一部を改正する法律案要綱」に既に盛り込まれていたことを指摘。仮に最高裁が再婚禁止期間と夫婦同姓の仕組みを合憲と判断した場合でも、国会は速やかに改正すべきだと訴えた。
「1996年の要綱は、パブリックコメントを何度も繰り返してできており、国民の内発的意思に基づくものだ。(民法改正を)早期に実現するのは立法府の責任だ。司法の判断がどうなるにせよ、立法府は速やか対応をすべきだ」
(弁護士ドットコムニュース)
|
|
|
|
Copyright(C) 2024 bengo4.com 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。