「胸を触る」「『愛してる』とメール」…変態お義父さんに嫁が悲鳴

嫁を悩ます「義理の親トラブル」の原因は、「嫁姑関係」に限りません。残るのはもう1人、そう「困ったお義父さん」という問題。中でも深刻なのが、性的なトラブルです。

ネット上には、「お風呂をのぞかれた」「『愛してる』とメールが届いた」「胸を触られた」などの変態行為ともいえる被害にあった女性たちから、多くの投稿があります。いくつかの被害事例を紹介しましょう。

●Aさん……「お風呂をのぞかれます」

「同居している80過ぎの義父が、すれ違い様に体に触ってきます。一時期はやめてくれと言い、あまり近づかないようにしていました。私がお風呂に入っている時も、明らかに入っているのを知っているのに開けられた事もあり、今はカギを閉めて入っています」

●Bさん……「『愛してるよ』とメール」

「約1年前から、義父より『愛しているよ』などのメールが届くようになりました。無視していましたが、自営業の手伝いで作業を教えてもらう時、義父が必要以上に体を寄せてくるようになりました。お風呂を覗かれたこともあります」

●Cさん……「胸をさわられました」

「結婚2年目。今までに、義父に服の上から胸をさわられる事が3度ありました。夫の不在時ですが、義母を含め人のいる前で、ふざけているような感じで触られました。義母はすぐに『やめなさい』と言ってくれましたが、私自身は驚いてしまい、すぐに強く拒否することができませんでした。しかし、どうしても許せず、強いショックを受けています」

義父の変態行為をやめさせるにはどうすればいいのでしょうか？　また、義父の行為を夫に相談しても、まともに取り合ってくれなかったという声もありました。そんな夫に幻滅し、離婚を考えはじめる人もいるようですが、「義父の行為に対処してくれなかった」といった理由で、離婚できるのでしょうか？　萱垣 佑樹弁護士に聞きました。

A. 萱垣弁護士「やめさせるためには警察への通報が有効です」

義父の行為によって精神的苦痛を受けた場合は、慰謝料を請求できます。

これは、夫と離婚しても離婚しなくても可能です。請求するときに用意する証拠としては、会話の録音が一番良いでしょう。もし、録音できない場合は、何月何日の何時に、どのような行為があったか、何を言われたかを克明にメモしておくことです。内容が具体的で詳細なほど、慰謝料が認められる可能性が高くなります。

義父の行為が犯罪にあたるかどうかですが、「愛してる」とメールすること自体は、犯罪ではないでしょう。ただ、風呂をのぞいたり、体を触ったりする行為は軽犯罪法違反、刑法上の強制わいせつになる可能性があります。

そこで、義父、夫、義母との話し合いをしてみる必要があるでしょう。それでも義父の行為がやまない場合には、やめさせるためには警察への通報が有効です。身内だからと遠慮せずに、考慮してもよいでしょう。

なお、義父からの性的嫌がらせだけでは、原則として、裁判所は離婚を認めないでしょう。

もっとも、裁判所は、夫が親族と一緒になって妻を虐待したり、親族側の言うことばかり聞いて妻をないがしろにしたような場合には離婚を認めています。

今回のケースで言うと、夫が、義父にやめるようにと働きかけたり、別居して義父に会わないように配慮してくれたりせず、「相談してもまともにとりあってもらえない」などの事情があれば、離婚の原因になる可能性は高いと思われます。

【取材協力弁護士】
萱垣 佑樹（かやがき・ゆうき）弁護士
平成25年登録。父親も弁護士で、小さいころから困った人を助けたいという気持ちが自然と養われ、現在、意欲的に弁護士としての活動に取り組んでいる。相談に来た人と同じ気持ちになって解決することが目標。
事務所名：万朶総合法律事務所
事務所URL：https://a23100.bengo4.com/g_23106/l_338393/