(C)CHARAPEDIA破天荒な少女漫画らしく、登場キャラのほとんどがとてつもなくぶっ飛んでおり、非日常なキャラ達の織りなす物語が魅力的な作品『となりの怪物くん』。同作のキャラクターの中で、ひときわ愛しくなってしまう「山口賢二」、通称ヤマケン。お父さんが大きな病院の委員長というセレブっぷり。セレブ校の友達からも一目置かれており、容姿端麗頭脳明晰、ずば抜けて方向音痴な事とプライドが高い事以外は、非の打ちどころ無し・・・?今回はそんな「山口賢二」の魅力についてご紹介いたします。
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【※一部、ネタバレの内容を含む可能性が御座います。ご注意下さい。】
■いじめっ子?優しい人?本当のヤマケンとは
ヤマケンの登場シーンは何とも嫌なものでした。吉田春(以下ハルと表記)をパシり、お金を遣わせ・・・。一般に言うところの“いじめ”に近いものを楽しむお金持ちのボンボン・・・。しかし、ハルを庇ったヒロインの雫、またハル自身からも大きく影響を受け、いつしか本来のヤマケンの姿が見えてくるようになります。
確かに恵まれた環境で育った彼ですが、基本的には優しく頭も良くそれなりに常識人。ハルや雫に振り回されながら雫に惹かれていく彼の姿は、一人の高校生以外の何者でもなく、ぶっ飛んだ作品の中でもっとも普通に恋をして、普通に恋に悩んでいたのではないでしょうか?彼にまとわりつく様々なレッテルが彼のプライドを高くし、そのプライドが“本当の彼”を隠しがちでしたが、作中において一番等身大の高校生だったと感じます。
■男前すぎる引き際
そんな等身大な高校生「ヤマケン」彼の最大の魅力は「こんな高校生いねーよ・・・!」と床を叩いてしまうような“男前”なところだと思います。ヤマケンが雫への恋心を自覚しアタックを始めたあたりから、ずっとその恋の行方を暖かく見守ってきた視聴者は多いと思います。雫の言動に一喜一憂する姿に誰もが共感し、ついついヤマケンを応援したくなってしまうのです。
しかし、彼の本当の魅力が発揮されたのは不幸にも失恋シーンでした。ヤマケンが雫に対して必死に言葉を紡いだ場面は、不器用な彼が見せたもっとも素直な瞬間でした。そんなヤマケンにいつもの如く真正面から向き合う雫。ヤマケンへの気持ちと、ハルへの気持ちを素直に話すその顔を見て、ヤマケンの代わりに涙を流した人も多かったのではないでしょうか?「プライドが高すぎる」と雫から指摘を受け続けた彼が、「好きな子の前では素直でいるのは難しい」とこぼすシーンは、ヤマケンの雫に対する真っ直ぐな愛、純粋さが見え、なんとかならんものか?と頭を抱えました。しかし彼は結局、自分の幸せよりも雫の幸せを優先する男前な奴でした。そんなヤマケンだからこそ好きになってしまうのです。雫のような女の子には二度と会えないと思いながら、いつものように「俺程の男はもう一生現れねーぞ」と雫に笑いかける彼の男前っぷり・・・。ヤマケン最高です。
■恋から成長できるひと
ヤマケンに限らず、『となりの怪物くん』の登場キャラ全てに共通して言える事かもしれませんが、恋を経てからの彼らの成長っぷりといったらありません。完結後の番外編がまとめられたコミックス13巻において、ヤマケンの妹である伊代ちゃん視点のお話があります。このお話でのヤマケンの格好良さと言ったらもう別次元。「男の幸せは?」と問われ、「好きな女が幸せそうにしてることじゃねーか」と答えるヤマケン。男としてどれだけ成長しているのでしょうか。また、ハルと雫の結婚式のシーンでも、ハルにお姫様抱っこされる雫の手の甲にキスを落とす姿が描かれており、その姿から彼の言う「男の幸せ」を感じた気がしました。伊代ちゃんの言うように、ヤマケンは“好きな人に好きに なってもらえる素晴らしい男”に成長したと思います。
少女漫画のハッピーエンドと言えば“好きな相手と結ばれる事”かもしれませんが、ヤマケンを見ていると幸せの形も様々だと感じます。原作は完結していますが、いつかどこかで彼が幸せに笑っている姿が見られれば・・・そう願わずにいられません。
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★記者:もぐおか(キャラペディア公式ライター)