(C)CHARAPEDIA『サザエさん』世界の掟は、「起きる事件は自然解決出来るような小さなものでなければならない」というもの。それはカツオが宿題をやらずに遊びに行くのも、気弱なマスオさんが少し帰りが遅くなるのも同じ次元の出来事です。そして、この世界に小さな“さざなみ”を立てる小石の役割を果たしている一人が、今回ご紹介するマスオさんの同僚「アナゴ」さんです。中島の場合、カツオを悪い方向へ誘うような事はありませんが、アナゴさんの「フグ田くん、ちょっと付き合えよ」という若本規夫さんのうねるような声は、多くの場合磯野家に小さな事件をもたらすのです。
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【※一部、ネタバレの内容を含む可能性が御座います。ご注意下さい。】
■一人で帰れない
さて、「いいじゃないか、ちょっと付き合えよ」と言ってマスオと楽しいひとときを過ごした後、アナゴさんは時に「フグ田くん、一緒に家に来てくれよ」と懇願する事が少なくありません。そう、奥さんが怖いのです。嫌がるマスオが引きずられていくと、玄関(磯野家の使い回しのデザイン)に仁王立ちの奥さんのシルエットが・・・。しかも手にはホウキ、頭にはツノという「奥さんは怒ってるんだよ」という昭和的記号を現代に伝える表現。そんなに怖いのなら控えればいいのに、アナゴさんは今日もお酒に麻雀にと、マスオを誘うのです・・・。
■唇よキャラを語れ
魚に詳しく無い人に、「魚の穴子の唇はどんな感じだと思いますか」と聞けば、きっと「厚ぼったい感じ」と答える人が多いと言います。これはやはりアナゴさんの功績が大きいと言わざるを得ません。“魚の穴子の唇”は、「アイアイ」「クリオネの捕食シーン」に加え、「生き物3大イメージギャップ」に数えてもいいくらいです。ちなみに、アナゴさんの唇はどちらかというとナポレオンフィッシュに似ています。
■アナゴさんの声
今となっては押しも押されぬ名声優、若本規夫さん。今では幅広い役柄をこなす若本さんですが、原点はこの毒にも薬にもならないマスオさんの同僚だったのです。ストイックな若本さんですから、自分の原点であるこの役を大切に、今日もマスオさんをちょいワルの道に誘っているのででしょう。
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★記者:ルーデル(キャラペディア公式ライター)