天才棋士・羽生善治さんが行っている、脳の老化予防とは?

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2016年02月17日 12:23  BOOK STAND

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『「ほら、あれだよ、あれ」がなくなる本: 物忘れしない脳の作り方』茂木 健一郎,羽生 善治 徳間書店
最近、年月の経過がとてもはやく感じられる。そんな方は、脳の老化が進んでいる恐れがあるかもしれません。

 脳の真ん中にある中脳から"ドーパミン"が前頭葉に放出されると、脳全体が活性化。脳の回路を強め、脳の老化を予防することができると言われています。このドーパミンは、初めてのことをしたときや、サプライズつまりちょっと意外なことがあったときに出るものなのだそう。そして、初めてのことやサプライズなことを経験しているとき、人間はその時間を長く感じるのだといいます。そのため、年月の経過がはやく感じる、時間が短く感じるということは、ドーパミンがあまり出ていない証拠。脳の老化の恐れがあるというのです。

 では、脳の老化を防ぎ、いつまでも若々しい脳であるためには、どのようなことに気をつければ良いのでしょうか。

 本書『「ほら、あれだよ、あれ」がなくなる本』では、脳科学者である茂木健一郎さんと、将棋棋士である羽生善治さんが、日々の生活のなかで気をつけている脳の使い方を自らの経験を踏まえながら伝授。脳のアンチエイジングをテーマにした、お二人の対談も収録されています。

 たとえば、物忘れは脳の老化のはじまりといいますが、棋士は一局につき100手や120手といった、その対局全てを記憶しなければなりません。さらに今まで公式戦で指した試合----羽生さんの場合1800にも渡る試合----での局面を、必要に応じて試合中に思い出さなくてはならないそうです。勝負に関わる重要な記憶、単に物忘れといって済ませるわけにはいきません。

 そこで羽生さんは、5年後も10年後も正確に覚えていないといけないと思ったときには、ただ見るだけでなく、木の盤と駒を出してきて実際に並べたり、ノートに書いたり、誰かに話したりと、五感をフルに使って覚えるようにしているそうです。

「人間というのは、目から入ってくる情報、視覚からかなりの情報を得ています。しかし、本当にきちんと覚えていきたいという時は、目だけではなく、手とか、耳とか、口とか、鼻とか、五感を駆使していくほうがいいと思います。
 それが非常に大事なことを覚える、または理解していく、会得することにつながっているのではないでしょうか」(本書より)

 また記憶する際には、丸暗記して単純に記憶するというのではなく、深く理解しているか否かが、試合中に思い出せるか思い出せないかを大きく左右しているのだといいます。

 人間の脳は、何歳になってもドーパミンを出す能力があるといいます。お二人の言葉を参考に、早速脳のアンチエイジングをはじめてみませんか?



『「ほら、あれだよ、あれ」がなくなる本: 物忘れしない脳の作り方』
著者:茂木 健一郎,羽生 善治
出版社:徳間書店
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