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「嵐のチケット、ついに顔認証」ーー朝日新聞は4月7日付朝刊で、顔認証の技術を使ったライブチケット転売防止の取り組みを報じた。チケット申し込み時に顔写真を要求し、入場時に本人かどうか照合するという。
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記事では、4月下旬から始まる人気アイドルグループ「嵐」の全国アリーナツアーを例に、ライブでの顔認証の広がりを特集。中には精度が99%を超える技術もあると紹介した。
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しかし、ネットオークションでは、この嵐のライブチケットが今も20万円を超える価格で取引されている。出品者が「メガネ、茶色ロングヘアー、面長」など、自身の容姿を説明しているのが特徴で、ネットで「顔認証あるからみんな特徴書いてて笑える 」などと話題になっている。
たとえチケットを高額で競り落としても、顔認証があれば入場できない可能性が高い。出品した「転売ヤー」に法的な責任はないのか。伊藤諭弁護士に聞いた。
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「まず前提として、多くの場合、規約により営利目的で転売されたチケットでのコンサート会場入場は認められていません。今回の嵐のライブにおいても同様の規約が定められているようなので、不正が認められれば入場禁止や退場などの処分を受けることがあります。ただ、こうした不正がすべて犯罪になるかは別の問題です」
転売についてはどのような規定があるのか。
「チケット類の転売を禁止する法令として、各都道府県が制定する迷惑防止条例があります。たとえば、東京都では、転売目的で入場券等を『公共の場所(ライブ会場付近など)』で購入したり、不特定の者に転売しようとしたりすることを禁止しています」
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ネットを使った営利目的の転売はどうなのか。
「これまでネットでの転売を禁止するのは難しいと考えられてきました。ネットオークションを『公共の場所』と解釈するのは困難だからです。また現実には、オークションなどで購入したチケットで実際に入場できていることから、法令で取り締まることは困難でした。
ただ、多数のチケットを出品するといった悪質なケースでは『転売目的で購入した』と判断され、摘発されることはあり得ます」
顔認証の本格化は、どう評価できるのか。
「顔認証が本格化すれば、転売されたチケットでは実際に入場することが難しくなると考えられます。
この結果、使用できないチケットであることを知りながら他人に転売した人は、購入者に対して詐欺罪が成立する可能性が出てくることとなりました。
また、本当は転売目的なのに、自分が入場するかのように装ってチケットを購入する行為も、ライブの運営側に対する詐欺罪が成立する可能性があります」
伊藤弁護士はこのように話していた。
(弁護士ドットコムニュース)
【取材協力弁護士】
伊藤 諭(いとう・さとし)弁護士
1976年生。2002年、弁護士登録。横浜弁護士会所属(川崎支部)。中小企業に関する法律相談、交通事故、倒産事件、離婚・相続等の家事事件、高齢者の財産管理(成年後見など)、刑事事件などを手がける。趣味はマラソン。
事務所名:市役所通り法律事務所
事務所URL:http://www.s-dori-law.com/
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