パンケーキとホットケーキ 見た目同じで名前が違うのはなぜ?

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2016年04月26日 12:41  おたくま経済新聞

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パンケーキとホットケーキ 見た目同じで名前が違うのはなぜ?

「パンケーキとホットケーキ。見た目は同じようなのに、名前が違うのはなぜ?」という疑問をネットで見かけました。


【元の記事はこちら】


パンケーキとホットケーキ。甘いか甘くないか、ということで区別するという説もありますが、ハワイアンパンケーキなどは完全なスイーツですから、当てはまりません。


悩みの種は「ホットケーキ」という言葉。実はこれ、和製英語なのです。


■「ホットケーキ」は和製英語


パンケーキは、もともと「(オーブンを使わず)フライパンでできる簡便なケーキ」という意味。ホットケーキはフライパン(今は温度管理のしやすいホットプレートも)を使って作るので、パンケーキの一種なのです。ただしパンケーキには、甘くない、食事代わりになるようなものもあります。


■ホットケーキの立ち位置とは……


じゃあ、ホットケーキは「甘いパンケーキ」の日本での呼び方? となりそうですが、1931(昭和6)年に発売された日本初の「ホットケーキの素」は、まだパンケーキが一般的でなかった為、使用する粉がまんじゅう作りなどにも使えるよう、砂糖を配合していない、甘くないものでした。……「甘いパンケーキ=ホットケーキ」の図式がここで崩れます。


ところで、パンケーキの素やホットケーキの素など、あらかじめ小麦粉のほか様々な種類の粉を配合してあるものを総称して「プレミックス(Prepared Mix)」と言います。面倒な粉の配合比率を考えることなく、様々な種類の粉を買って無駄にすることもないという優れもの。お菓子作り用だけでなく、このほかに「天ぷら粉」や「唐揚げ粉」、「お好み焼き粉」などもプレミックスの一種です。


しかし、一番多いのはお菓子用。最初に世に出たプレミックスは、1848年に発売された、小麦粉に酒石酸と重曹(ペーキングパウダーの成分)を配合したものでした。配合はアメリカの特許にもなっています。これはシンプルなケーキミックスとも言え、パンケーキやホットケーキなど、ケーキミックスはプレミックスの歴史そのものと言えます。


砂糖を加えた甘い「ホットケーキの素」が発売されるようになったのは、家庭料理が洋風化していった1950年代のこと。この時期から家庭でホットケーキを作るようになってきたようです。


■哲学的オチになった


パンケーキとホットケーキの違いをあえて説明するならば、こうなるでしょうか。


「パンケーキのうち、作った人や使った粉のメーカーが『ホットケーキ』と呼べばそれはホットケーキ」


真実はその人の心の中に。シンプルながら深い哲学的なオチになりました。


▼参考
プレミックスの歴史(日本プレミックス協会)


(文:咲村珠樹)


このニュースに関するつぶやき

  • 「ホットケーキミックス」で、森永が商標権を取っていますね。「ホットケーキ」自体は一般名称化しているので商標権は認められないようです。
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