ママ友トラブルで慰謝料は請求できる? レギュラーになった逆恨みで母娘が孤立

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2016年06月08日 10:21  弁護士ドットコム

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ママ友は、夫以上に頼もしい子育てのパートナーとなることもありますが、ちょっとしたキッカケで、子どもも巻き込んだ壮絶なバトルになる可能性も・・・。娘がチームのレギュラーになってから、「シカトされるようになりました」という方が、弁護士ドットコムの法律相談に質問を投稿しました。


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娘のA子さんは、地域の運動クラブでレギュラーメンバーに選ばれました。しかし、入部した時期が同じで、仲良くしていた友人B子さんは、残念ながら補欠に。するとB子さんは、A子さんをシカトをするようになったそうです。


ある日、「あからさまにハブにしたり、無視したり、ほかの友達には手作りクッキーをあげているのに、娘だけにくれないところ」を目撃してしまいます。たまらず、B子さんの親御さんに「無視されてるんですが、何か娘に原因があるなら教えてほしいんです」と話したそうです。


その後の展開は思いもよらないものでした。B子さんの親御さんからは、挨拶をしても無視されるように。その上、「チームのボスママを手なずけ、ボスママからも無視をされ、チームの食事会なども我が家だけ呼ばれなくなり」ました。


その結果、「私はストレスで体調を崩し、娘はチームをやめることになりました」。学校でも「いろいろ信じがたい噂を流されたりしていますが、証拠はありません。娘も頑張ってきた(クラブ活動を)やめることになり、親子で精神的に参っております」。


無視され続けたことで、相談者は「体調を崩して鬱っぽい」ため、ママ友に慰謝料を請求することはできるのでしょうか? と質問しています。浮田 美穂弁護士に話を聞きました。


 ●「慰謝料請求をできる場合はあります」


無視されることは存在を否定されるつらいことですが、犯罪ではありませんので、直ちに「違法」とは言えません。


ただ、慰謝料を請求できることもあります。集団であからさまに無視したり、その他いろいろな事情が加わって、社会通念上、許される範囲を超えた「いじめ」ないし「嫌がらせ」に当たる場合です。「人格権を違法に侵害された」として、慰謝料を請求することができます。


その場合には、証拠を提出する必要があります。たとえば、日記、他のママ友の証言などが考えられるでしょう。具体的にどのような嫌がらせがあったのか、それによってどのような被害を被ったのか立証できると良いでしょう。


また「いろいろ信じがたい噂を流されたりしています」とのことです。その「信じがたい噂」が名誉毀損にあたるような場合は慰謝料請求ができます。メールやラインで流されている場合はそのメールやライン、噂を聞いた人の証言が証拠として考えられます。


ただ、裁判で慰謝料を認められたとしても判例上その額は低く、数十万程度です。


逆恨みで無視してくるようなママ友と仲良くする必要はないと思います。無視されるのは辛いことですが、相談者の価値がさがるわけではありません。そのようなママ友とは付き合わず、他のよい友達、理解してくれる人を見つけて欲しいと思います。






【取材協力弁護士】
浮田 美穂(うきた・みほ)弁護士
2002年、弁護士登録。2010年度金沢弁護士会副会長。2011年から、石川県子ども政策審議会児童福祉部会委員。著書に 「ママ弁護士の子どもを守る相談室」(2013年、一万年堂出版)。
事務所名:弁護士法人兼六法律事務所
事務所URL:http://kenroku.net/


このニュースに関するつぶやき

  • 弁護士は慰謝料大好きだから。弁護士の言うことを真に受けちゃダメだよ。
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