高畑裕太さんが釈放、示談成立でも「起訴される可能性はある」と弁護士が解説

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2016年09月09日 15:32  弁護士ドットコム

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9月9日午後、強姦致傷容疑で逮捕された俳優の高畑裕太さんが勾留中の群馬県警前橋署から釈放された。14時20分すぎ、前橋署から出た裕太さんは、叫ぶように「この度は皆さまに多大なるご迷惑をおかけし、本当に申し訳ございませんでした」と声をあげ、深々と頭を下げた。


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高畑さんは先月23日、宿泊先の前橋市内のホテルで女性従業員に乱暴したとして前橋署に強姦致傷容疑で逮捕されていた。スポーツニッポンなどは示談成立で不起訴処分になったと報じている。


前橋警察署は、弁護士ドットコムニュースの取材に対し「本日14時に釈放しました。不起訴かどうかはコメントできない」と話した。


●「不起訴処分」「処分保留」で釈放

釈放されたことによって、高畑裕太さんが起訴される可能性はなくなったのか。冨本和男弁護士は、「起訴される可能性はあります」と指摘する。


「釈放の理由が明らかではないということですが、理由は大きく2つ考えられます。ひとつは、検察が不起訴処分を決めたこと、もうひとつは、起訴か不起訴か処分を決めずに釈放した(処分保留)ということです。


たしかに、不起訴処分の場合、検察官が『起訴しない』という判断をいったんはしています。そうすると、今後、起訴されることはないと考える人もいるでしょう。


しかし、不起訴処分には、将来起訴することを禁止するような効力はありません。最高裁でも、検察官が一旦不起訴にした罪を後日になって起訴しても、憲法39条の二重処罰禁止に違反しないとした判決があります。


仮に示談が成立していたとしても、強姦致傷は非親告罪なので、被害者が告訴を取り下げたとしても、起訴される可能性はあります。


したがって、高畑さんの釈放の理由がなんであれ、今後起訴される可能性がなくなったというわけではありません」


(弁護士ドットコムニュース)



【取材協力弁護士】
冨本 和男(とみもと・かずお)弁護士
債務整理・離婚等の一般民事事件の他刑事事件(示談交渉、保釈請求、公判弁護)も多く扱っている。
事務所名:法律事務所あすか
事務所URL:http://www.aska-law.jp


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