「ブラックバイト」初の裁判、学生「人生を大きく狂わされた」と訴える

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2016年09月14日 12:52  弁護士ドットコム

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飲食チェーン「しゃぶしゃぶ温野菜」のフランチャイズ店舗でアルバイトしていた男子大学生(21)が、パワハラや脅しにより、4カ月無給で働かされたなどとして、店舗の運営会社「DWE Japan」を相手取って、慰謝料や未払い残業代など約800万円を求めた訴訟の第1回口頭弁論が9月14日、千葉地裁であった。原告側によると、ブラックバイトでの裁判は初めて。男子学生は意見陳述で「人生を大きく狂わされました」と話した。


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訴状によると、学生は2014年5月にアルバイト採用された。10月頃から長時間労働を求められ、2015年4月からは122日間連続で働かされたという。退職を申し出ると、暴言や暴力を振るわれたといい、大学の実習や試験を受けられず、2015年前期の単位をすべて落してしまった。店長夫婦には首を絞められたり、包丁で肩を刺されたりしたこともあるといい、男子学生は千葉県警に告訴状も提出している。


●裁判で双方が意見陳述

裁判では男子学生の意見陳述があり、男子学生は、店長夫婦からの暴力が恐ろしく、「何をされても言う通りにしないといけないとしか思えなかった」と語った。成績の関係で希望のゼミに入れず、留年の可能性もあることから、「(実家に経済的な余裕がなく)留年したら退学するしかない。将来の夢が閉ざされてしまう。人生が終わったと思った」と当時の絶望感を振り返った。


一方、DWEの川井直社長は法廷で、「本当に申し訳なく思っています」と謝罪。未払い賃金など、約150万円についてはただちに支払う用意があり、「早急に解決したい」と話した。川井社長は裁判後、弁護士ドットコムニュースの取材に対し、「払うべきものはしっかり払うべきと思っている。ただし、暴力など確認できていない部分もあるため、慰謝料の金額については、原告側の主張を精査したい」と語った。


男子学生は、現時点での和解を否定している。裁判で自身の労働実態などが明確に認定されることを望んでおり、「このまま判決まで持っていけるようにしたいと思っています」と話している。


(弁護士ドットコムニュース)


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  • 人生が終わった?いや、始まったのだ。真に奴隷としての新しき人生がww選択肢がなくなればただひたすら働く以外何ら思い悩む必要もなくなる。何と理想的な労働者w
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