企業の「ストレスチェック」、実施済みは半数以下

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2016年11月09日 12:01  QLife(キューライフ)

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QLife(キューライフ)

迫る期限、初回 “締め切り”は11月末

画像はリリースより

 職場での「パワハラ」や「モラハラ」を巡るニュースが連日のように報道され、労働環境の改善が声高に叫ばれています。改正労働安全衛生法により、メンタルヘルスの不調を未然に防ぐ仕組みとして、従業員数50人以上の事業所に毎年1回の「ストレスチェック」を行うことが義務づけられました。初回期限が11月末に迫るなか、エン・ジャパン株式会社の調査によると、実施した企業は45%と半数以下にとどまっているほか、現場のさまざまな課題も浮き彫りになりました。

 ストレスチェックは、2015年12月から義務づけられた制度で、1回目の実施期限は11月30日。内容は、ストレスに関する質問表に従業員自らが記入し、医師や保健師などが集計・分析を行い、ストレスの度合いを調べるもので、結果は企業ではなく個人に直接通知されます。チェックの結果、高ストレスと判断され、本人からの申し出があった場合は、医師による面接や就業上の措置を実施しなければなりません。

 今回の調査には、従業員50人以上の企業173社が協力。実施したと答えた企業は45%ですが、「準備を進めている」と答えた企業44%を加えると、約9割が実施に向けて動いているようです。一方、「実施の予定がない」、「わからない」と答えた企業は合わせて10%で、人手不足や多忙などを理由に挙げています。

相談窓口の設置など、課題山積のスタートに

 「実施している」、「準備を進めている」と回答した企業に、ストレスチェック義務化への対応で困難を感じた点を尋ねたところ、「チェックを行う体制・相談窓口の構築」、「全社員に受診させることの難しさ」、「高ストレス判定の社員が医師面談を希望しない可能性」の3つが同率でトップとなりました。

 企業側からは、「とにかく手順が面倒で、現場が理解できないし、人員が割けない」、「ストレスを感じているのが会社なのかプライベートなのかの判断基準のあいまいさ」など、不満の声も聞かれます。また、「高ストレスと診断された社員が、会社の総務人事部署に報告しなければいけないことがそもそも大きな関門」という鋭い指摘もあり、制度自体に改善の余地がありそうです。

 それでも、実施した企業の46%が「社員のストレス状況をおおまかに把握できた」と答えているほか、管理職や社員自身がストレス緩和に関心を持つようになったという意見もあり、一定の効果はあるようです。会社は、人生の3分の1を過ごすともいわれる場所。ストレスチェック制度をうまく活用し、心の健康を保ちながら働きたいものですね。(菊地 香織)

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