「一億総搾取にしてはいけない」長時間労働の是正へ「インターバル規制」導入を議論

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2016年11月18日 11:02  弁護士ドットコム

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長時間労働の是正策として注目されている「インターバル規制」などについて考える座談会が11月16日、東京・千代田区の連合会館で開かれた。千葉商科大学専任講師で「働き方」評論家の常見陽平さんらが登壇し、長時間労働の実態や、インターバル規制導入の必要性について語った。


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インターバル規制とは、勤務を終えてから、翌日の勤務開始までに一定の休息時間を確保することを義務付ける制度。EU加盟国では1993年に制定されたEU労働時間指令により、「最低11時間の休息時間」を義務化することが定められている。日本でも、野党4党が11月15日に衆議院に提出した労働基準法改正案に盛り込まれており、与野党含めて、今後議論になりそうだ。


座談会で、情報労連書記長の柴田謙司さんは、「労働基準法では、1週間につき40時間、1日8時間を超えて労働させてはならないというのが基本原則。これを補うために36協定があるが、(限度時間を超えて働かせられる)特別条項があるため、上限をいくらでも解除でき、労働時間が青天井になっている」と述べた。


その上で、「5時間未満の睡眠では、脳疾患・心臓疾患のリスクが増加するという調査結果もある。休息時間を確保することが、労働時間法政策の最も重要な課題だ」として、インターバル規制導入の必要性を強調した。


常見さんは、長時間労働の末に過労自殺した電通若手社員、高橋まつりさんについて触れ、「高橋まつりさんを殺したのは、電通にも問題はあるが、日本という社会だと思う」と指摘。「色んな人が互いに苦しみ合い、仕事の範囲や内容が無制限に広がっている日本社会の構造にも注目してほしい。長時間労働の是正だけでは不十分で、短時間労働であっても、プレッシャーや対人関係のストレスで倒れる人が出てくると思う。こうした状況の中で、インターバル規制の『必ず休む』という考え方は画期的だ」と述べた。


さらに常見さんは、安倍晋三首相が2013年2月の施政方針演説で「世界で一番、企業が活躍しやすい国を作る」と発言していたことについても言及。「それも経済成長には必要かもしれないが、やはり『国民のため』『労働者のため』ということを考えてほしい。一億総活躍という名の下に一億総搾取になり、働き方改革といいつつ働き方改悪になってはいけないと強く感じている」と警鐘を鳴らしていた。


(弁護士ドットコムニュース)


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