飲酒運転「呼気検査」拒否することは可能? 忘年会シーズンで警察が取り締まり強化

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2016年12月24日 09:41  弁護士ドットコム

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アルコールを飲む機会が増える年の瀬を迎え、全国の警察が飲酒運転の取り締まりを強化している。12月上旬の一斉取り締まりでは、全国で240件の飲酒運転が摘発された。


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飲酒運転による事故が後を絶たない以上、取り締まりの必要はあるだろう。一方、酒を飲んでいない運転手の中には、こうした取り締まりを迷惑に感じる人もいるかもしれない。


検問で、警察から呼気検査などの協力を求められた場合、応じる義務はあるのだろうか。お酒を飲んでいないと主張して拒否することができないのだろうか。大川一夫弁護士に聞いた。


●拒否することの法的リスクは大きい

「いわゆる『一斉取り締まり』については任意捜査ですので、裁判官が発行した令状がない限り応ずる義務はありません。この点は、歩行者に対する職務質問の場合と同じです」


大川弁護士はこのように述べる。では、運転者は呼気検査を拒否しても問題ないのだろうか。


「そうではありません。道路交通法67条3項に、65条1項(酒気帯び運転)に違反して運転のおそれがあるときに、警察官が呼気検査ができるという規定がありますので、この点は歩行者の場合と違います。


前条に該当するときは、その運転手には呼気検査に協力する義務が生じます。拒否した場合は罰則があります(同法118条の2)。


もっとも、呼気検査の要件は『酒気帯び運転のおそれがあるとき』ですから、何ら酒気帯び運転のおそれがないのに呼気検査を求めるのは要件を欠くことになります」


では、お酒を飲んでいない人は、「私は『酒気帯び運転のおそれがあるとき』という要件をみたさないので、呼気検査には応じません」と主張することはできるのか。


「呼気検査を拒否した場合には、この罰則以外にも、公務執行妨害罪で現行犯逮捕される可能性があります。


また、結果的に酒気帯びでなくても『おそれ』があれば呼気検査ができるのですから、その場合でも検査義務違反であることは違いありません。


そして、その『おそれ』があったか無かったかの判断は、第一次的に警察官がしています。


警察官の判断が誤っていることもありますが、一般には呼気検査を求められたときに拒否することは、実際問題として法的リスクが大きいといえるでしょう」


(弁護士ドットコムニュース)



【取材協力弁護士】
大川 一夫(おおかわ・かずお)弁護士
大阪弁護士会所属、元同会副会長。労働問題特別委員会委員、刑事弁護委員会委員など。日本労働法学会会員、龍谷大非常勤講師。連合大阪法曹団代表幹事、大阪労働者弁護団幹事など。
事務所名:大川法律事務所
事務所URL:http://www.okawa-law.com


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