『せいこうの歴史再考』は、名将や偉人の足跡を経済の視点から紐解く番組。いとうせいこうが一時代を築いた人物に関連する城や寺社、墓、老舗店などを訪れ、各所に残っている物やエピソードから現在にも役立つ経済術を探っていくという内容だ。
番組の内容をまとめた書籍では、都市計画に着目した織田信長や徳川家康、「ソウルフード」を生み出した武田信玄、地域格差に目を付けて利益を生んだ豊臣秀吉といった歴史上の人物たちの視点や発想を紹介。さらに新選組の給料や「お遍路ビジネス」にまつわるトピックなども掲載されている。
■いとうせいこうのコメント
『せいこうの歴史再考』は、日本史の事象を経済的な視点で斬っていく番組ですが、基本的には歴史に詳しくない人、ちょっと興味があるぐらいの人の方が楽しめると思います。
番組では制作スタッフとのやり取りなんかも出てきますが、この番組はスタッフの人数がそれほどおらず、ある意味家族的にやっているので、「こいつは、こういう所が得意なんだよな」という風に互いの特徴が分かってくるんですよね。まさに昔の番組のようにアットホームな雰囲気の中で、僕がリラックスしてやってるところや、ツッコミをしてるところを、自然な形でうまく引き出してくれていて、そんなところが視聴者の方々にも楽しんでいただけているようです。
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僕も番組に出ながら発見すること、歴史の見方を変えていくことも多く、結論の出ない番組ならではの刺激のようなものが、今の自分にとって必要だと思えたりもします。「今を生きるヒント」となる歴史番組を、ぜひこの本からも感じていただきたいです。