“むらたたむ”“にゃんごすたー”でブームのドラム、人気の理由は?

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2017年05月24日 01:00  citrus

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出典:「むらたたむ」公式サイトより

東スポによると、世の中は只今ドラムブームなんだとか。一応、ジャズドラマーの端くれを自認する私としては、従来だとステージの一番うしろに追いやられフロントを支える、どちらかと言えば「縁の下の力持ち」的な役割だったドラムが、こうもフィーチャーされるとは、まことにもって喜ばしいかぎりである。
 


(ドラムブームの)中心にいるのが、ユーチューブで人気に火が付いた美人ドラマー・むらたたむ(24)とドラムを叩くゆるキャラ・にゃんごすたーだ。
音楽関係者は「バンドといえばギターが人気だったのですが、最近はドラムが盛り上がっています。この時代にもかかわらず、ドラム雑誌の売り上げも伸びており、ドラム人口も増えている」と明かす。
(中略)むらたは、今年2月の初ソロライブに続き、5月15日に都内で開催したソロライブ(のチケット)も即完売。実力も高く評価されており「有名なミュージシャンからドラムを叩いてほしいとオファーが殺到していると聞いています」(音楽関係者)とのこと。
(中略)15日のソロライブにゲストとして迎えたのが、にゃんごすたー。こちらも「X JAPAN」のYOSHIKI(年齢非公表)や海外の有名アーティストらも絶賛するドラムの腕の持ち主で、ライブ中「X JAPAN」の『虹』などでドラムの共演を果たした。


 ……らしい。
 
ちなみに私がドラムをはじめたのは、高校3年間のすべてを費やしたテニスを、受験のために引退したころ。そのいきなりポッカリ空いた穴に偶然ハマったのは“勉強”じゃなく“音楽”で、「ハタチ近くまで一切楽器に触れたこともないオマエ(←私)でも辛うじてやれるのはドラムだけやで」と、たまたま同じクラスにいた軽音楽部在籍のギタリストからアドバイスをもらったのがきっかけだった。
 
では、なぜドラムは幼少期から音楽教育を受けていない者でも比較的習得しやすい楽器なんだろう?
 
正解は、ドラムが「メロディ、正確には音階にほとんど触れずに済む楽器である」からだ……と私は思う。よく「手足をバラバラに動かすのが信じられない!」なんて驚かれたりもするが、基本は「手で叩くと同時に足を踏む」「手では叩いて足は踏まない」「手で叩く裏で足を踏む」といったパターンの組み合わせなので、一度身体で覚えてしまえば、そうむずかしい動作でもない。つまり、他の楽器と比べてフィジカルに頼る部分が圧倒的に多いのだ。
 
そして、それはすなわち「見た目のパフォーマンスが一番目立つ=見映えがする」ことを意味する。むしろ「演奏」より「ダンス」に近いのかもしれない。おそらく、昨今のドラムブームは「YouTubeなどでもPVを獲得しやすい」という面でも、ここらへんの“メリット”に起因する部分が大きいのではなかろうか。
 
ただ一方で、ドラムには「(狭義的に)ソロだと音楽として成立しづらい」といった致命的な“デメリット”もある。どんなに高等なテクニックを駆使したトリッキーなアクションの類い希なるドラムソロでも、ステージの、あるいはアルバムの最初から最後まで“コレ一本”だと、さすがに飽きてしまう。

やはり、ドラムはメロディと絡んでナンボな楽器なわけで、ドラムだけがいたずらにトリミングされているドラムブームの“はしり”が、今後どう成熟していくのかは、一人のドラム好きとして不安でもあるし、楽しみでもあったりする……。

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