欅坂46 平手友梨奈、“白目の変顔”で新境地 ドラマ『残酷な観客達』クールキャラ捨てた表現に迫る

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2017年05月24日 17:32  リアルサウンド

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(c)「残酷な観客達」製作委員会

 欅坂46主演の連続ドラマ『残酷な観客達』(日本テレビ系)が、5月17日より放送開始された。シリアスと笑いが絶妙にミックスされた物語の中、メンバー21人が変顔やモノマネを披露するなど、普段は見られない各メンバーの魅力がドラマには盛り込まれていた。


参考:欅坂46 平手友梨奈はセンターの重圧をどう乗り越える? 乃木坂46 生駒里奈の歩みと比較考察


 なかでも、これまでのパブリックイメージを覆すような役柄に挑戦していたのが平手友梨奈だ。MVやパフォーマンス時のクールでかっこいい姿とは異なった、冷静でありながらも喜怒哀楽のある演技で新たな一面を見せ、多くの視聴者を驚かせた。


 このドラマでは各メンバーに出席番号と役名が付けられており、平手友梨奈は出席番号17番の葉山ゆずき役を演じている。


 平手は、欅坂46の中で1stシングル『サイレントマジョリティー』から4thシングル『不協和音』まで4作連続でセンターポジションを継続、大人への反抗を歌い続ける欅坂46を先導するアイコンであり、アイドル界の若きカリスマ的存在だ。


 欅坂46の初主演ドラマ『徳山大五郎を誰が殺したか?』(テレビ東京)では、物語の中心人物としてクールな役柄を演じていた平手。「犯人をしょっぴきたい」と事件解決に参加していく姿は、理屈抜きに視聴者を惹き付けてしまうカリスマ性を裏付け、平手友梨奈のアーティストとしてのイメージを増長させた。


 一方『残酷な観客達』では、物語冒頭でいきなり白目の変顔を披露、ファーストインパクトで既存のイメージを一気に崩した。同時に、これまでの欅坂46とはひと味違うことを視聴者に提示し、ドラマの方向性を示す。


 平手は、“いいね!”の票が入るのを熱心に祈り、票が少ない時は恥ずかしそうに落ち込み、票が目標値まで達すると「きたー!」と歓喜、さらに観客達の辛辣なコメントには”チッ!"と舌打ちをし、「うっせー F○CK!」と真顔でつぶやく。バラエティ番組以外ではあまり感情を表に出さない彼女の喜怒哀楽の表情や、やさぐれた感じがとても新鮮である。


 また『徳山大五郎』で演じた役は、周りに気遣いができる心の広さを兼ね備えていたが、『残酷な観客達』では真逆の役に挑戦している。閉じ込められた教室から脱出するためにモノマネを提案する葉山に対し、「モノマネするぐらいなら死んだ方がマシ」と反抗する11番の杉崎凛(菅井友香)。すると葉山は「は? あんたさっき変顔やってたじゃん」と厳しく杉崎を問い詰める。また、“日本テレビ朝の情報番組『スッキリ!!』で突然キレ出す近藤春菜”のモノマネを披露した時も、ドラマ内の観客達と同様に、視聴者を唖然とさせた。


 『残酷な観客達』は、音楽とパフォーマンスで魅せるかっこいい欅坂46のイメージを踏襲しつつ、『欅って、書けない?』(テレビ東京)などのバラエティ番組で培われたメンバーの個性を活かしたドラマと言える。予てから趣味は“お笑い番組を見ること”と公言している平手が、バラエティで照れながらも芸人のネタを披露していたように、ドラマでも素顔に近い等身大の姿を披露。普段はグループのセンターとして、張りつめたオーラをまとっている分、それがとても可愛らしく見える。


 『徳山大五郎』との大きな違いは、現実でもドラマでもグループを導いてきた平手が、今回は環境に振り回され空回りする役を演じていること。決してカリスマではなく、むしろ他にカリスマになりうる存在の気配もあり、実際の欅坂46に新しい影響を及ぼしそうな予感も。ただ、脱出した友達たちには素直に「おめでとう」と言える純粋さを兼ね備えており、まだその素性が読めず、現状のキャラがフェイクである可能性も充分に考えられる。


 音楽活動や演技で築いてきたクールなキャラを、あえて壊しにかかったのには賛否両論あるだろう。しかし、可愛くも生意気な存在として注目を集め、演技を通して等身大の自分を見せることは、平手にとってプラスなのは間違いない。


 葉山ゆずきが教室から早く帰りたがっている様子や14番の永嶺みこ(長濱ねる)との百合展開を匂わす関係、謎に包まれた過去など、多くの伏線が張られていた初回放送。次に平手や他のメンバーがどんな新しい表情を見せてくれるのか、期待せずにはいれらない。(本 手)


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