女性らしさが希薄で、3つのシコウ(思考・志向・嗜好)が、まるで「おっさん」的な若い女性のことを「おっさん女子」と呼ぶ。本人たちも自覚しており、「おっさん」を自称している。
その生態は、実にユニークで興味深い。行動を見ていても、「おっさん」そのもの。カフェより居酒屋を好み、カクテルではなく、ビール・日本酒を選ぶ。スイーツより珍味に目がいき、立ち食い・立ち飲みに愛着を感じる。
見ためで言えば、着飾ることをせず、ラフな服を着て、暑い日の首にはタオルを巻いている。薄着の時は、ムダ毛処理の甘さが目立つ。整理整頓が苦手で、部屋が汚い。
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頭の中を覗いてみると、面倒くさがりで、何事にも合理性を求め、スマホのメールは極端に短い。もちろん、絵文字もなし。思ったこと・言いたいことは、すぐに口に出す。単純明快なので、素直な面もあり、仲間からは好かれる。気のいい「おっさん」なので、飲み会では場を盛り上げる役割を果たす。イヤなことは、飲んで忘れるタイプ。
また、面白い生態として、女性の見方まで「おっさん」であることがあげられる。女性をライバル視せず、「可愛い!」「胸が大きい!」「脚がキレイ!」などという、「おっさん目線」で見ている。憧れの目線ではなく、純粋に美しいものとして捉えているところが面白い。
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そんな「おっさん女子」に、現代社会は生きやすい。自然体が受け入れられる。こうした女性が増えてくると、世の中の商品・サービスも、若干の軌道修正が必要となるだろう。「おっさん」だからといって、本物のおっさん向け商品・サービスを奨めても、彼女たちを引きつけるのは難しいだろう。
ほんの少しだが、“乙女心”を有しているからである。
あくまで「おっさん」的なだけであって、本物には成りきれない。どこかで女性らしさを求めている。「おっさん仕様」に、ほんの少し“乙女心”をプラスすること。
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それが、「おっさん女子」を射止める戦略となる。