「司法の役割をかなぐり捨てた判決だ」給費制廃止違憲訴訟、敗訴の元司法修習生ら憤る

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2017年09月27日 16:12  弁護士ドットコム

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兼職・兼業が禁止されている司法修習生に、給与相当額を支払う「給費制」を廃止したのは違憲に当たるなどとして、弁護士らが国を相手に争っていた裁判の判決が9月27日、東京地裁であった。1人1万円などを求めていたが、請求は棄却された。


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訴訟を起こしたのは、2011年11月に修習を開始した新65期の弁護士ら116人。給費制は、財政負担軽減などの理由でこの年に廃止され、無利息の「貸与制」に移行された。給費制は2017年11月から復活するため、原告らを含む65〜70期までは給費を受けられなかったことになる。


原告らは憲法の平等原則に反するなどと主張したが、東京地裁は、不利益があったことは否定できないが、立法府の裁量の範囲であり、憲法違反には当たらないと判断した。


給費制をめぐっては、原告を含む65〜67期の弁護士ら約400人が全国7つの裁判所で計8つの裁判を起こしている。この日は広島地裁でも初めての判決があったが、同じく請求が棄却され、連敗スタートとなった。直近では9月29日に大分地裁で判決が言い渡される(67期訴訟)。


判決後の記者会見で、東京で行われた裁判の原告の一人・石島淳弁護士は、「『不利益は否定できない』というが、そこにどう手を差し伸べるかが問われていたのではないか」とコメント。不利益を是正しようとしない、国や裁判所を批判した。


全国の裁判全体の弁護団長を務める宇都宮健児弁護士は、「立法府の裁量権を大幅に認めており、三権分立における、司法の役割をかなぐり捨てた判決ではないか」と述べ、控訴する意向を明らかにした。


(弁護士ドットコムニュース)


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  • 当該記事を読む限り、原告や原告団長の主張の方が合理性があると思う。兼業兼職が禁止され、自力で稼げない司法修習生にとって金銭が給費と貸与では全く異なる。
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