元SMAPの3人がAbemaTVで「僕らの曲がない」、SMAP時代の曲は歌っちゃダメ?

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2017年11月08日 10:43  弁護士ドットコム

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元SMAPの稲垣吾郎さん(43)、草なぎ剛さん(43)、香取慎吾さん(40)が11月5日、AbemaTVの「72時間ホンネテレビ」に出演し、グランドフィナーレとして72曲の生ライブを行った。


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しかし、番組中で「ぼくら曲がないので」との発言があり、SMAPの曲を歌うことはなく、坂本九や忌野清志郎など他のアーティストの楽曲を歌った。


今は彼らはSMAPではないが、自分たちがかつて歌っていた楽曲を今は歌うことができないのか。法的な観点について、高木啓成弁護士に聞いた。


●著作権と原盤権

「楽曲をインターネット配信で利用する場合、『著作権』と『原盤権』(正確には『レコード製作者の著作隣接権』)の2つの権利を考える必要があります。


『著作権』は、作詞・作曲した際に発生する権利です。『原盤権』は、CDやカラオケの音源について発生する権利です。その音源を制作した会社などが保有しています」


それぞれの観点から、SMAPの曲を歌えるかどうか、どう考えればいいのか。



「まず、『著作権』は、通常、作詞家・作曲家から音楽出版社に譲渡され、音楽出版社がJASRACのような著作権管理事業者に管理を委託しています。


いくつかSMAPの楽曲を調べてみましたが、著作権の全体をJASRACが管理しているようです。


AbemaTVは、JASRACと包括的に契約をしていますので、「著作権」については、クリアです。


次に、『原盤権』については、CDの音源を利用する場合は、レコード会社が『原盤権』を管理していることが通常です。また、カラオケ事業者の音源を利用する場合は、そのカラオケ事業者が『原盤権』を管理しています。


テレビやラジオの放送の場合は、『原盤権』の権利者の許諾なく音源を利用することができるのですが(ただし、お金を支払う必要はあります)、インターネットテレビは法律的には「放送」ではなく、『原盤権』の権利者の許諾が必要になりますので、その点の処理を行うことが必要です。


『72時間テレビ』のカラオケシーンの映像を観ると、第一興商からの許諾を受けてDAMの音源を利用していたことがわかります。


そうすると、『原盤権』もクリアしているので、通常の権利処理の観点からすると、通常は、カラオケでの利用ができるはずです」


高木弁護士はこのように述べていた。


通常の権利処理の観点からはOKということなので、歌えないのは、他に何らかの事情があるのだろうか。


(弁護士ドットコムニュース)



【取材協力弁護士】
高木 啓成(たかき・ひろのり)弁護士
福岡県出身。2007年弁護士登録(第二東京弁護士会)。ミュージシャンやマンガ家の代理人などのエンターテイメント法務のほか、IT関係、男女関係などの法律問題を扱う。音楽事務所に所属し、作曲家、ロックドラマー、DJとして活動するほか、「hirock’n」名義でiTunes等にて自らの楽曲を音楽配信している。Twitterアカウント@hirock_n
事務所名:アクシアム法律事務所
事務所URL:http://www.axiomlawoffice.com/


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  • ジャニーズ退所の契約であったのかもね。
    • イイネ!6
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